The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

October 11, 2001 Vol. 345 No. 15

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

高齢患者における結腸癌切除後の補助化学療法に関する併合解析
A Pooled Analysis of Adjuvant Chemotherapy for Resected Colon Cancer in Elderly Patients

D.J. SARGENT AND OTHERS

背景

補助化学療法は,再発リスクの高い結腸癌切除後の患者に対する標準的治療であるが,70 歳を超える患者におけるこのような治療の有効性および毒性については,意見が分かれている.

方 法

II 期または III 期の結腸癌の患者を対象として,術後のフルオロウラシル+ロイコボリンと手術単独とを比較した試験(5 件),フルオロウラシル+レバミソール(levamisole)と手術単独とを比較した試験(2 件)の,計 7 件の第 3 相無作為化試験(患者計 3,351 例)の個々の患者のデータを用いたプール解析を,intention-to-treat に基づいて行った.標本の大きさが同じになるような 4 つの年齢層に患者を分類し,さらに解析は,10 歳区切りの年齢範囲(≦50 歳,51~60 歳,61~70 歳,および>70 歳)でも繰り返し実施し,同じ結論が得られた.すべての試験で示された毒性は,悪心あるいは嘔吐,下痢,口内炎,および白血球減少であった.有効性の解析では,フルオロウラシル+ロイコボリン群とフルオロウラシル+レバミソール群の患者を併合したが,毒性の解析は群に分けたままにした.

結 果

補助治療は,全生存および腫瘍再発までの期間の両方に対して有意な改善作用があった(死亡および再発のそれぞれについて p<0.001,ハザード比はそれぞれ 0.76 [95%信頼区間,0.68~0.85],0.68 [95%信頼区間,0.60~0.76]).5 年全生存率は,補助療法を受けた患者で 71%であったのに対して,補助療法を受けなかった患者では 64%であった.年齢と治療の有効性とのあいだには,有意な交互作用は認められなかった.毒性の発現率は,1 試験の白血球減少を除いて,高齢者(年齢>70 歳)で上昇するということはなかった.

結 論

高齢の結腸癌の特定の患者は,フルオロウラシルを基本とした補助療法から,対応する若年層の患者と同様の有益性を受けることが可能であり,毒性の有意な増加を伴うこともない.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2001; 345 : 1091 - 7. )