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January 3, 2008 Vol. 358 No. 1

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進行胃食道癌に対するカペシタビンとオキサリプラチン
Capecitabine and Oxaliplatin for Advanced Esophagogastric Cancer

D. Cunningham and Others

背景

未治療進行胃食道癌に対するフルオロウラシルとシスプラチンの静注療法の代替法として,カペシタビン(経口フルオロピリミジン [fluoropyrimidine])とオキサリプラチン(白金製剤)をそれぞれ評価した.

方 法

2×2 デザインにて,患者 1,002 例を,エピルビシンとシスプラチンに加えてフルオロウラシル(ECF)またはカペシタビン(ECX)を投与する 3 剤療法と,エピルビシンとオキサリプラチンに加えてフルオロウラシル(EOF)またはカペシタビン(EOX)を投与する 3 剤療法の計 4 群に無作為に割り付けた.主要エンドポイントは,カペシタビンを含む 3 剤療法をフルオロウラシルを含む 3 剤療法と比較した場合と,オキサリプラチンを含む 3 剤療法をシスプラチンを含む 3 剤療法と比較した場合の,全生存における非劣性とした.

結 果

カペシタビンとフルオロウラシルの比較では,カペシタビン群の死亡に対するハザード比は 0.86 であり(95%信頼区間 [CI] 0.80~0.99),オキサリプラチンとシスプラチンの比較では,オキサリプラチン群のハザード比は 0.92(95% CI 0.80~1.10)であった.両ハザード比の信頼区間の上限は,事前に規定した 1.23 の非劣性限界を含まなかった.ECF 群,ECX 群,EOF 群,EOX 群において,生存期間の中央値はそれぞれ 9.9 ヵ月,9.9 ヵ月,9.3 ヵ月,11.2 ヵ月であり,1 年の時点の生存率はそれぞれ 37.7%,40.8%,40.4%,46.8%であった.二次解析では,全生存期間は EOX 群のほうが ECF 群よりも長く,EOX 群の死亡に対するハザード比は 0.80 であった(95% CI 0.66~0.97,P=0.02).無増悪生存率と奏効率には,レジメン間で有意な差はなかった.カペシタビンとフルオロウラシルの毒性は同等であった.オキサリプラチンは,シスプラチンと比較してグレード 3 または 4 の好中球減少,脱毛,腎毒性,血栓塞栓症の発生率が低かったが,グレード 3 または 4 の下痢と神経障害の発生率はわずかに高かった.

結 論

カペシタビンとオキサリプラチンは,未治療胃食道癌患者において,それぞれフルオロウラシル,シスプラチンと同等の有効性を示した.(Current Controlled Trials 番号:ISRCTN51678883)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2008; 358 : 36 - 46. )