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July 18, 2013 Vol. 369 No. 3

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転移性前立腺癌におけるα放出核種ラジウム 223 と生存
Alpha Emitter Radium-223 and Survival in Metastatic Prostate Cancer

C. Parker and Others

背景

α放出核種の一種である二塩化ラジウム 223(ラジウム 223)は,α粒子によって骨転移を選択的に標的とする.骨転移を有する去勢抵抗性前立腺癌の男性を対象に,最善の標準治療にラジウム 223 を追加する治療の有効性と安全性を,最善の標準治療にプラセボを追加する治療と比較評価した.

方 法

第 3 相無作為化二重盲検プラセボ対照試験において,ドセタキセルの投与歴がある患者,ドセタキセル投与の適応がない患者,またはドセタキセル投与を拒否した患者の 921 例を,ラジウム 223(静脈内注射量 50 kBq/kg 体重)を 6 回投与する群と,マッチさせたプラセボを投与する群に 2:1 の割合で無作為に割り付け,投与は 4 週ごとに 1 回行った.さらに,全例に最善の標準治療を行った.主要評価項目は全生存とした.主な副次的有効性評価項目は,症候性の骨イベントの初回発生までの期間,種々の生化学的評価項目などとした.事前に規定した中間解析は,314 例が死亡した時点で行い,ラジウム 223 の生存に対する効果をプラセボと比較評価した.最新の解析は,プラセボからラジウム 223 にクロスオーバーする前に,528 例が死亡した時点で行った.

結 果

809 例を対象とした中間解析の時点では,全生存期間は ラジウム 223 により,プラセボと比較して有意に延長した(中央値 14.0 ヵ月 対 11.2 ヵ月,ハザード比 0.70,95%信頼区間 [CI] 0.55~0.88,両側 P=0.002).921 例を対象とした最新の解析により,ラジウム 223 による生存期間への有益性が確認された(中央値 14.9 ヵ月 対 11.3 ヵ月,ハザード比 0.70,95% CI 0.58~0.83,P<0.001).主な副次的有効性評価項目すべての評価においても,プラセボと比較してラジウム 223 の有益性が示された.ラジウム 223 は,骨髄抑制の発生率が低いことと,有害事象が少ないことに関連した.

結 論

この試験では,事前に規定した中間解析で有効性に差が認められ中止されたが,ラジウム 223 によって全生存期間が延長した.(Algeta 社,Bayer HealthCare Pharmaceuticals 社から研究助成を受けた.ALSYMPCA ClinicalTrials.gov 番号:NCT00699751)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2013; 369 : 213 - 23. )