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January 22, 2015 Vol. 372 No. 4

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未治療の BRAF 変異陰性悪性黒色腫に対するニボルマブ
Nivolumab in Previously Untreated Melanoma without BRAF Mutation

C. Robert and Others

背景

ニボルマブは,イピリムマブ(ipilimumab)抵抗性の転移性悪性黒色腫患者を対象とした第 3 相試験において,化学療法と比較して高い客観的奏効率に関連した.未治療の進行悪性黒色腫患者に対するニボルマブの使用については,第 3 相の対照試験ではまだ検討されていない.

方 法

未治療の BRAF 変異陰性転移性悪性黒色腫患者 418 例を,ニボルマブ群(3 mg/kg 体重を 2 週ごとに投与し,ダカルバジンにマッチさせたプラセボを 3 週ごとに投与)と,ダカルバジン群(1,000 mg/m2 体表面積を 3 週ごとに投与し,ニボルマブにマッチさせたプラセボを 2 週ごとに投与)に無作為に割り付けた.主要評価項目は全生存とした.

結 果

1 年の時点での全生存率は,ニボルマブ群 72.9%(95%信頼区間 [CI] 65.5~78.9)に対し,ダカルバジン群 42.1%(95% CI 33.0~50.9)であった(死亡のハザード比 0.42,99.79% CI 0.25~0.73,P<0.001).無増悪生存期間中央値は,ニボルマブ群 5.1 ヵ月に対し,ダカルバジン群 2.2 ヵ月であった(死亡または増悪のハザード比 0.43,95% CI 0.34~0.56,P<0.001).客観的奏効率は,ニボルマブ群 40.0%(95% CI 33.3~47.0)に対し,ダカルバジン群 13.9%(95% CI 9.5~19.4)であった(オッズ比 4.06,P<0.001).ニボルマブによる,ダカルバジンを上回る生存への利益は,プログラム死リガンド 1(PD-L1)の発現状態により定義されたサブグループを含む,事前に規定したサブグループすべてにおいて認められた.ニボルマブに関連して高頻度に認められた有害事象は,疲労,瘙痒,悪心であった.グレード 3 または 4 の薬剤関連有害事象は,ニボルマブ投与例の 11.7%と,ダカルバジン投与例の 17.6%に発現した.

結 論

未治療の BRAF 変異陰性転移性悪性黒色腫患者において,ニボルマブは,ダカルバジンと比較して,全生存と無増悪生存の有意な改善に関連した.(Bristol-Myers Squibb 社から研究助成を受けた.CheckMate 066 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01721772)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2015; 372 : 320 - 30. )