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July 2, 2015 Vol. 373 No. 1

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体重管理におけるリラグルチド 3.0 mg の無作為化比較試験
A Randomized, Controlled Trial of 3.0 mg of Liraglutide in Weight Management

X. Pi-Sunyer and Others

背景

肥満は健康に深刻な影響を及ぼす慢性疾患であるが,減量を生活習慣介入のみによって維持するのは困難である.グルカゴン様ペプチド 1 アナログであるリラグルチドの 3.0 mg 1 日 1 回の皮下注射が,体重管理に有用である可能性が示されている.

方 法

2 型糖尿病を有しない,体格指数(BMI;体重 [kg]/身長 [m]2)が 30 以上の患者と,治療歴の有無を問わず脂質異常症または高血圧を有する BMI が 27 以上の患者 3,731 例を対象に,56 週間の二重盲検試験を実施した.患者を,リラグルチド 3.0 mg を 1 日 1 回皮下注射する群(2,487 例)と,プラセボを投与する群(1,244 例)に2:1 の割合で無作為に割り付けた.両群に生活習慣改善に関するカウンセリングを行った.主要評価項目は,体重の変化,ベースラインの体重から 5%以上減量した患者の割合,10%超減量した患者の割合とした.

結 果

ベースラインの時点で,患者の平均(±SD)年齢は 45.1±12.0 歳,平均体重は 106.2±21.4 kg,平均 BMI は 38.3±6.4 であり,患者全体の 78.5%が女性で,61.2%が前糖尿病状態であった.56 週の時点で,リラグルチド群では体重が平均 8.4±7.3 kg 減少し,プラセボ群では平均 2.8±6.5 kg 減少していた(差 -5.6 kg,95%信頼区間 -6.0~-5.1,P<0.001,最終観察繰越し外挿法による).体重が 5%以上減少した患者の割合は,リラグルチド群 63.2%に対してプラセボ群 27.1%であり(P<0.001),体重が 10%超減少した患者の割合はそれぞれ 33.1%,10.6%であった(P<0.001).リラグルチド群で高頻度に報告された有害事象は,軽度または中等度の悪心と下痢であった.重篤な有害事象の発現率はリラグルチド群 6.2%,プラセボ群 5.0%であった.

結 論

この試験では,食事と運動の補助としてのリラグルチド3.0 mg 投与は,体重の減少と代謝コントロールの改善に関連した.(Novo Nordisk 社から研究助成を受けた.SCALE Obesity and Prediabetes NN8022-1839 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01272219)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2015; 373 : 11 - 22. )