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September 15, 2016 Vol. 375 No. 11

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成人 B 細胞性急性リンパ性白血病に対するリツキシマブ
Rituximab in B-Lineage Adult Acute Lymphoblastic Leukemia

S. Maury and Others

背景

リツキシマブにより,非ホジキンリンパ腫患者の転帰が改善している.B 細胞性急性リンパ性白血病(ALL)の患者も,リツキシマブの標的となる CD20 抗原陽性の場合がある.単群試験では,CD20 抗原陽性 ALL 患者の化学療法にリツキシマブを追加することで転帰が改善される可能性が示唆されているが,無作為化試験では検討されていない.

方 法

CD20 陽性フィラデルフィア染色体(Ph)陰性 ALL の成人患者(18~59 歳)を,化学療法にリツキシマブを併用する群と併用しない群に無作為に割り付けた.主要評価項目は無イベント生存期間とした.リツキシマブは,すべての治療期間を通して計 16~18 回投与された.

結 果

2006 年 5 月~2014 年 4 月に 209 例が登録され,105 例をリツキシマブ群に,104 例を対照群に割り付けた.追跡期間中央値 30 ヵ月の時点で,無イベント生存期間はリツキシマブ群のほうが対照群よりも長く(ハザード比 0.66,95%信頼区間 [CI] 0.45~0.98,P=0.04),推定 2 年無イベント生存率は,それぞれ 65%(95% CI 56~75),52%(95% CI 43~63)であった.多変量解析でも,リツキシマブ投与は無イベント生存期間がより長いことに関連していた.重度の有害事象全体の発現率に群間で有意差は認められなかったが,アスパラギナーゼに対するアレルギー反応はリツキシマブ群のほうが少なかった.

結 論

CD20 陽性 Ph 陰性 ALL の成人患者において,ALL 化学療法プロトコールにリツキシマブを追加することで,転帰が改善した.(パリ地域臨床研究局ほかから研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT00327678)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2016; 375 : 1044 - 43. )