The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

December 15, 2016 Vol. 375 No. 24

リオデジャネイロの妊娠女性におけるジカウイルス感染
Zika Virus Infection in Pregnant Women in Rio de Janeiro

P. Brasil and Others

背景

ジカウイルス(ZIKV)は,胎児の中枢神経系奇形に関連することが示されている.妊娠女性と乳児の ZIKV 感染症の疾患スペクトラムの特徴を明らかにする目的で,われわれは,リオデジャネイロにおいて,母親の臨床症状と,ZIKV 急性感染が乳児に及ぼす影響を報告するために患者を追跡した.

方 法

皮疹が出現してから 5 日以内の妊娠女性を登録し,逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応法を用いて,血液検体中および尿検体中の ZIKV を検査した.対象を前向きに追跡し,妊娠および乳児の転帰に関するデータを得た.

結 果

2015 年 9 月~2016 年 5 月に 345 例を登録した.このうち 182 例(53%)が,血液,尿,またはその両方が ZIKV 陽性であった.ZIKV 急性感染は,妊娠 6~39 週のあいだに認められた.母親の臨床像は主に,下行性に広がる瘙痒性の斑状皮疹または斑状丘疹性皮疹,関節痛,結膜充血,頭痛などであり,発熱(短期かつ軽度)は 27%に認められた.2016 年 7 月までに出産した ZIKV 陽性例 134 例と ZIKV 陰性例 73 例のうち,それぞれ 125 例と 61 例の妊娠転帰が判明している.チクングニアウイルス感染が,ZIKV 陰性例の 42%,ZIKV 陽性例の 3%で認められた(P<0.001).胎児死亡率は両群とも 7%であり,有害な妊娠転帰は,ZIKV 陽性女性から出生した児の 46%,ZIKV 陰性女性から出生した児の 11.5%で認められた(P<0.001).ZIKV 陽性女性 116 例から生存出生した児 117 例のうち,4 例で小頭症を認めるなど,きわめて異常な臨床所見,脳画像所見,またはその両方が 42%に認められた.有害転帰は,どの妊娠期に ZIKV に感染したかにかかわらず認められた(母親の感染が妊娠第 1 期の例で 55%,第 2 期の例で 52%,第 3 期の例で 29%).

結 論

妊娠中の ZIKV 感染は,母親の臨床症状が軽度であっても,胎児に有害であり,胎児の死亡,発育不全,および中枢神経系の一連の異常に関連している.(ブラジル保健省ほかから研究助成を受けた.)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2016; 375 : 2321 - 34. )