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April 13, 2017 Vol. 376 No. 15

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若年者における 1 型糖尿病と 2 型糖尿病の発症動向,2002~12 年
Incidence Trends of Type 1 and Type 2 Diabetes among Youths, 2002–2012

E.J. Mayer-Davis and Others

背景

若年期に診断される 1 型糖尿病と 2 型糖尿病は,臨床上および公衆衛生上大きな負担となっている.有病率は 2001~09 年に増加したが,近年の発症動向に関するデータは不足している.

方 法

米国の 5 つの研究施設で,1 型糖尿病と 2 型糖尿病の症例を同定した.分母(若年者年間 490 万人)は米国国勢調査または医療保険加入者数から入手した.2002~12 年の年間発症率を算出したあと,一般化された自己回帰移動平均モデルを用いて 2 年移動平均をもとに動向を分析した.

結 果

若年の 1 型糖尿病患者 11,245 例(0~19 歳)と 2 型糖尿病患者 2,846 例(10~19 歳)を同定した.1 型糖尿病の全体の未調整推定発症率は,年間で 1.4%上昇した(2002~03 年の年間 100,000 人あたり 19.5 例から,2011~12 年の年間 100,000 人あたり 21.7 例に増加;P=0.03).調整後の一対比較では,ヒスパニック系における年間上昇率が非ヒスパニック系白人よりも大きかった(4.2% 対 1.2%,P<0.001).2 型糖尿病の全体の未調整推定発症率は,年間で 7.1%上昇した(2002~03 年の年間 100,000 人あたり 9.0 例から,2011~12 年の年間 100,000 人あたり 12.5 例に増加;人種・民族,性別,年齢によるサブグループの傾向性の P<0.001).調整後の一対比較では,非ヒスパニック系白人における 2 型糖尿病発症の相対的年間増加率(0.6%)は,非ヒスパニック系黒人,アジア・太平洋諸島系,アメリカ先住民より低く(すべての比較で P<0.05),ヒスパニック系とアメリカ先住民とのあいだでは有意差が認められた(3.1% 対 8.9%,P=0.01).年齢,性別,人種・民族で調整後は,1 型糖尿病発症の相対的年間増加率は 1.8%(P<0.001)であり,2 型糖尿病では 4.8%(P<0.001)であった.

結 論

若年者における 1 型糖尿病と 2 型糖尿病の発症は,2002~12 年に有意に増加し,とくに少数人種・民族の若年者で顕著であった.(米国国立糖尿病・消化器病・腎臓病研究所,米国疾病管理予防センターから研究助成を受けた.)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2017; 376 : 1419 - 29. )