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September 14, 2017 Vol. 377 No. 11

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再入院リスク ― 患者要因から病院要因を切り離す
Hospital-Readmission Risk — Isolating Hospital Effects from Patient Effects

H.M. Krumholz and Others

背景

リスク標準化再入院率に対する病院側の要因を特定するために,1 年間に 2 ヵ所以上の病院に同一の診断で複数回入院した患者の再入院転帰を調査した.

方 法

メディケア・メディケイドサービスセンターが報告している,2014 年 7 月~2015 年 6 月の全病院の再入院測定コホートを,2 つの無作為サンプルに分割した.全例がメディケア受給者で,65 歳以上であった.1 つ目のサンプルでは各病院のリスク標準化 30 日再入院率を算出するのに使用し,成績に応じて病院を四分位群に分類した.再入院率が低いほど,成績が良好であることを示す(成績分類サンプル).もう 1 つのサンプルでは,同一の診断で異なる 2 ヵ所の病院に 1 ヵ月超~1 年未満の間隔をあけて入院した患者を同定し,入院した病院の成績四分位群が異なる患者で再入院率を比較した(研究サンプル).

結 果

成績分類サンプルでは,リスク標準化再入院率の中央値は 15.5%(四分位範囲 15.3~15.8)であった.研究サンプルには,4,272 施設のうち,異なる 2 病院に同一の診断で入院した 37,508 例が含まれた.再入院率は,四分位群ごとの比較で,成績がわるいほうの病院に入院した患者は成績がよいほうの病院に入院した患者よりも一貫して高かったが,有意差は,成績が最高四分位群の病院に入院した患者と最低四分位群の病院に入院した患者との比較でのみ認められた(再入院率の絶対差 2.0 パーセントポイント,95%信頼区間 0.4~3.5,P=0.001).

結 論

同一患者において,同一の診断で成績が最高四分位群の病院に入院したときと,最低四分位群の病院に入院したときとで,30 日再入院率に有意差が認められた.この知見は,病院の質が,患者側の要因とは独立に,再病院率に一部寄与していることを示している.(イエール・ニューヘイブン病院アウトカム研究・評価センターほかから研究助成を受けた.)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2017; 377 : 1055 - 64. )