The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

December 21, 2017 Vol. 377 No. 25

心原性ショックを伴う急性心筋梗塞患者における PCI 戦略
PCI Strategies in Patients with Acute Myocardial Infarction and Cardiogenic Shock

H. Thiele and Others

背景

心原性ショックを伴う急性心筋梗塞患者では,経皮的冠動脈インターベンション(PCI)により早期に責任病変の血行再建を行うことで転帰が改善する.しかし,心原性ショックの患者の大半は多枝病変を有しており,非責任病変の狭窄に対して即時に PCI を施行すべきかどうかは意見が分かれている.

方 法

多施設共同試験において,多枝病変を有し,心原性ショックを伴う急性心筋梗塞を発症した患者 706 例を,初回血行再建戦略して,責任病変にのみ PCI を施行し,非責任病変には段階的血行再建を選択肢とする群と,即時に多枝 PCI を施行する群のいずれかに無作為に割り付けた.無作為化後 30 日以内に発生した死亡または腎代替療法を要する重度の腎機能障害を複合主要エンドポイントとした.出血と脳卒中を安全性エンドポイントとした.

結 果

30 日の時点で,複合主要エンドポイントの死亡または腎代替療法は,責任病変単独 PCI 群 344 例中 158 例(45.9%),多枝 PCI 群 341 例中 189 例(55.4%)で発生した(相対リスク 0.83,95%信頼区間 [CI] 0.71~0.96,P=0.01).責任病変単独 PCI 群における,多枝 PCI 群と比較した死亡の相対リスクは 0.84(95% CI 0.72~0.98,P=0.03),腎代替療法の相対リスクは 0.71(95% CI 0.49~1.03,P=0.07)であった.血行動態が安定するまでの時間,カテコラミン療法のリスクとその実施期間,トロポニン T 値とクレアチンキナーゼ値,出血の発生率と脳卒中の発生率に,群間で有意差は認められなかった.

結 論

多枝冠動脈疾患を有し,心原性ショックを伴う急性心筋梗塞を発症した患者では,複合エンドポイントの死亡または腎代替療法を要する重度の腎機能障害の 30 日リスクは,最初に責任病変にのみ PCI を施行した群のほうが,即時に多枝 PCI を施行した群よりも低かった.(欧州連合第 7 次フレームワークプログラムほかから研究助成を受けた.CULPRIT-SHOCK 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01927549)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2017; 377 : 2419 - 32. )