The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

January 11, 2018 Vol. 378 No. 2

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

未治療 EGFR 変異陽性進行非小細胞肺癌におけるオシメルチニブ
Osimertinib in Untreated EGFR-Mutated Advanced Non–Small-Cell Lung Cancer

J.-C. Soria and Others

背景

オシメルチニブは,上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)感受性化変異と EGFR T790M 耐性変異の両方を選択的に阻害する経口第三世代不可逆的 EGFR-TKI である.われわれは,未治療の EGFR 変異陽性進行非小細胞肺癌(NSCLC)患者において,オシメルチニブと標準的な EGFR-TKI とを比較した.

方 法

二重盲検第 3 相試験で,未治療の EGFR 変異陽性(エクソン 19 欠失または L858R 変異)進行 NSCLC 患者 556 例を,オシメルチニブ(80 mg 1 日 1 回)を投与する群と標準的 EGFR-TKI(ゲフィチニブ 250 mg 1 日 1 回またはエルロチニブ 150 mg 1 日 1 回)を投与する群に,1:1 の割合で無作為に割り付けた.試験医師の評価による無増悪生存を主要評価項目とした.

結 果

無増悪生存期間中央値は,オシメルチニブ群のほうが標準的 EGFR-TKI 群よりも有意に長かった(18.9 ヵ月 対 10.2 ヵ月,病勢進行または死亡のハザード比 0.46,95%信頼区間 [CI] 0.37~0.57,P<0.001).客観的奏効率は 2 群で同程度であり,オシメルチニブ群 80%,標準的 EGFR-TKI 群 76%であった(オッズ比 1.27,95% CI 0.85~1.90,P=0.24).奏効期間中央値は,オシメルチニブ群が 17.2 ヵ月(95% CI 13.8~22.0)であったのに対し,標準的 EGFR-TKI 群は 8.5 ヵ月(95% CI 7.3~9.8)であった.中間解析の時点で,全生存に関するデータは不完全であった(データ収集率 25%).18 ヵ月生存率は,オシメルチニブ群 83%(95% CI 78~87),標準的 EGFR-TKI 群 71%(95% CI 65~76)であった(死亡のハザード比 0.63,95% CI 0.45~0.88,P=0.007 [中間解析では有意差なし]).グレード 3 以上の有害事象の発現率は,オシメルチニブ群のほうが標準的 EGFR-TKI 群よりも低かった(34% 対 45%).

結 論

EGFR 変異陽性進行 NSCLC の一次治療において,オシメルチニブは有効性に関して標準的 EGFR-TKI に対し優越性を示した.また,安全性プロファイルは類似しており,重篤な有害事象の発現率はオシメルチニブのほうが低かった.(AstraZeneca 社から研究助成を受けた.FLAURA 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02296125)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2018; 378 : 113 - 25. )