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January 11, 2018 Vol. 378 No. 2

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排卵のある女性における新鮮胚移植と凍結胚移植との比較
Transfer of Fresh versus Frozen Embryos in Ovulatory Women

Y. Shi and Others

背景

多囊胞性卵巣症候群を有する無排卵の女性では,凍結胚を待期的に移植したほうが,新鮮胚を移植するよりも生児出生率が高くなることが示されている.排卵のある不妊女性において,凍結胚移植により生児出生率が上昇するかどうかは不明である.

方 法

多施設共同無作為化試験において,1 回目の体外受精周期を予定している女性 2,157 例を,新鮮胚移植を行う群と,胚を凍結保存し,凍結胚移植を行う群に無作為に割り付けた.各例に分割胚を 2 個まで移植した.初回胚移植後の生児出生を主要転帰とした.

結 果

生児出生率に,凍結胚群と新鮮胚群とで有意差は認められなかった(48.7%と 50.2%,相対リスク 0.97,95%信頼区間 [CI] 0.89~1.06,P=0.50).着床率,臨床的妊娠率,全流産率,妊娠継続率にも群間で有意差は認められなかった.凍結胚移植では,新鮮胚移植と比較して卵巣過剰刺激症候群のリスクが有意に低くなった(0.6% 対 2.0%,相対リスク 0.32,95% CI 0.14~0.74,P=0.005).母体および新生児合併症のリスク,その他の有害転帰リスクに群間で有意差は認められなかった.

結 論

排卵のある不妊女性において,新鮮胚移植と凍結胚移植とで,生児出生率に有意差は認められなかったが,凍結胚移植のほうが卵巣過剰刺激症候群のリスクが低くなった.(中国国家重要研究・開発プログラム,中国国家自然科学基金から助成を受けた:Chinese Clinical Trial Registry 番号 ChiCTR-IOR-14005406)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2018; 378 : 126 - 36. )