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February 1, 2018 Vol. 378 No. 5

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心不全に合併する心房細動に対するカテーテルアブレーション
Catheter Ablation for Atrial Fibrillation with Heart Failure

N.F. Marrouche and Others

背景

心房細動を合併した心不全患者は,心不全のみを有する患者と比較して,死亡率と合併症発生率が高い.心房細動以外は適切な治療を受けている心不全患者の転帰を改善する治療手段として,心房細動に対するカテーテルアブレーションが提案されている.

方 法

発作性または持続性の症候性心房細動患者で,抗不整脈薬が無効であったか,抗不整脈薬により忍容できない副作用が発現したか,抗不整脈薬を服用する意思のなかった例を,ガイドラインに基づく心不全治療に加えて,心房細動に対してカテーテルアブレーションを行う群(179 例)と,薬物療法(心拍数調節または洞調律維持)を行う群(184 例)に無作為に割り付けた.全例がニューヨーク心臓協会分類 II~IV 度の心不全を有し,左室駆出率が 35%以下であり,除細動器を植え込んでいた.全死因死亡および心不全の悪化による入院の複合を主要エンドポイントとした.

結 果

追跡期間中央値 37.8 ヵ月の時点で,複合主要エンドポイントが発生した患者は,アブレーション群のほうが薬物療法群よりも有意に少なかった(51 例 [28.5%] 対 82 例 [44.6%],ハザード比 0.62,95%信頼区間 [CI] 0.43~0.87,P=0.007).アブレーション群は薬物療法群と比較して,全死因死亡(24 例 [13.4%] 対 46 例 [25.0%],ハザード比 0.53,95% CI 0.32~0.86,P=0.01),心不全の悪化による入院(37 例 [20.7%] 対 66 例 [35.9%],ハザード比 0.56,95% CI 0.37~0.83,P=0.004),心血管系の原因による死亡(20 例 [11.2%] 対 41 例 [22.3%],ハザード比 0.49,95% CI 0.29~0.84,P=0.009)が有意に少なかった.

結 論

心不全患者の心房細動に対するカテーテルアブレーションは,薬物療法と比較して,全死因死亡および心不全の悪化による入院から成る複合エンドポイントの発生率が有意に低いことと関連した.(Biotronik 社から研究助成を受けた.CASTLE-AF 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT00643188)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2018; 378 : 417 - 27. )