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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

February 11, 2016
Vol. 374 No. 6

This Week in the JOURNAL

ORIGINAL ARTICLES

  • 血栓性血小板減少性紫斑病に対するカプラシズマブ
    Caplacizumab for TTP

    血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)は,ADAMTS13 に対する自己抗体により超巨大 von Willebrand 因子が出現し,血小板凝集が誘導されることに起因する場合が多い.カプラシズマブは血小板凝集を阻害し,血漿交換と併用した場合に回復を早める.

  • 30 年間での認知症発症率
    Incidence of Dementia over Three Decades

    フラミンガム心臓研究では,60 歳以上の参加者における認知症発症率が 30 年間で低下している.5 年累積ハザード率は,1970 年代~1980 年代の 100 人あたり 3.6 から,2000 年代~2010 年代には 100 人あたり 2.0 に低下した.

  • リードレス経カテーテルペースメーカー
    A Leadless Transcatheter Pacemaker

    連続する 725 例に,リードレス経カテーテルペースメーカーを植え込む試験が行われた.6 ヵ月時点で主要なデバイス関連合併症がなかった患者の割合は 96.0%であり,ペーシングキャプチャー閾値が低く,かつ安定していた患者の割合は 98.3%であった.

  • HIV 関連クリプトコッカス髄膜炎におけるデキサメタゾン
    Dexamethasone in HIV-Associated Cryptococcal Meningitis

    細菌性・真菌性髄膜炎の治療におけるグルココルチコイドの役割については意見が分かれている.HIV 関連クリプトコッカス髄膜炎患者を対象にデキサメタゾンの補助的使用を検討したこの試験では,利益はもたらされず,有害事象が増加した.

  • 短報:骨髄腫蛋白とリゾ脂質の相互作用
    Brief Report: Myeloma Protein Interactions with Lysolipids

    ゴーシェ病の経過中に発症する単クローン性免疫グロブリン血症は,リゾグルコシルセラミド(LGL1)に対して反応性を示す.LGL1 は代謝異常の結果として増加する.この抗原への結合が,散発性ヒト単クローン性免疫グロブリン血症の 1/3 で認められた.

MEDICINE AND SOCIETY

  • 共倒れ ― 末期患者に対する共感的ケア
    Falling Together — Empathetic Care for the Dying

    人は,もうすぐ死ぬと知った場合にどのように生きるのだろうか? 医師は,どうしたら生から死への移行における不安を和らげられるだろうか? 共感と希望の関係とはどのようなものであろうか? 神経外科医 Paul Kalanithi は,死後に出版された When Breath Becomes Air のなかでこれらの問いについて検討している.

PERSPECTIVE

  • 認知症は減少しているか?
    Is Dementia in Decline?

    認知症は,他の主要疾患の増減と照らし合わせると減少している可能性があるため,「疾病負担を抑制することができるのではないか?」という淡い期待を抱かせる.冠動脈疾患減少に関する議論の歴史には,認知症減少の新たな報告に対する重要な教訓が含まれている.

Videos, Images, and Multimedia

IMAGES IN CLINICAL MEDICINE

  • 巨細胞性動脈炎に伴う頭皮壊死
    Scalp Necrosis Associated with Giant-Cell Arteritis

    巨細胞性動脈炎に伴う頭皮壊死

    74 歳の男性が,頭痛,顎跛行, 頭皮潰瘍悪化のため受診した.診察にて頭皮に壊死領域が認められた.巨細胞性動脈炎の合併症としての頭皮壊死と診断された.

CLINICAL PRACTICE AUDIO

  • 高齢男性における尿路感染症
    Urinary Tract Infections in Older Men

    男性の尿路感染症に有効な治療を行うには,感染部位が腎臓か,膀胱か,前立腺かを見極める必要がある.それは,治療の期間と選択は部位によって異なるためである.慢性細菌性前立腺炎では長期の抗菌薬投与が必要である.

NEJM QUICK TAKE

  • 後天性血栓性血小板減少性紫斑病に対するカプラシズマブ
    Caplacizumab for Acquired TTP

    後天性血栓性血小板減少性紫斑病に対するカプラシズマブ

    後天性血栓性血小板減少性紫斑病は, 合併症と死亡の発生率が高い細小血管血栓症である.転帰を改善する方法はあるのだろうか? 最新の研究知見が短い動画にまとめられている.

PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW

  • ポリオ根絶へのもうひと押し
    A Push to End Polio

    Walter Orenstein が,ポリオ根絶に向けた世界的取組みの最終段階について論じている.