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This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
January 12, 2017
Vol. 376 No. 2
This Week in the JOURNAL
ORIGINAL ARTICLES
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小児片頭痛に対するアミトリプチリンとトピラマートとの比較
Amitriptyline and Topiramate for Childhood Migraine小児・思春期児の片頭痛に対して,アミトリプチリンとトピラマートはいずれも,プラセボと比較して優れておらず,頭痛日数が 50%以上減少した患者の割合にも 2 剤のあいだで有意差は認められなかった.無益性のため試験は早期に終了された.
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中腸神経内分泌腫瘍に対する 177Lu-ドータテート
177Lu-Dotatate in Midgut Neuroendocrine Tumors中腸神経内分泌腫瘍に対するオクトレオチドアナログ治療中に進行した患者では,オクトレオチドに 177Lu-ドータテートを追加することで,奏効率が 18%になり,高用量オクトレオチド単独と比較して,20 ヵ月無増悪生存率が有意に高くなった.
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冠動脈手術におけるトラネキサム酸
Tranexamic Acid in Coronary-Artery Surgery無作為化試験で,心臓手術を受ける 4,500 例超の患者を,トラネキサム酸とプラセボに割り付けた.死亡および血栓性合併症の発生率に群間で有意差は認められなかった.トラネキサム酸群では,プラセボ群よりも出血が少なく,痙攣がより多く認められた.
CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH
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ミトコンドリア移植と体外受精
Mitochondrial Donation and In Vitro Fertilization1 件の研究で,初期胚由来細胞株におけるミトコンドリア DNA 複製のさまざまな面が解明されたが,その一方で,英国の規制当局は,ミトコンドリア病伝播のリスクを低下させるため,「ミトコンドリア移植」技術を承認した.
MEDICINE AND SOCIETY
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禁止について再考する
Rethinking the Ban米国では,男性間性交渉者からの献血を,不確実性が強かった時代に禁止したが,検査方法が進歩し疾患伝播に関する理解が進んだことで,輸血による HIV 感染リスクを最小限に抑えるにあたって,全面禁止よりも優れた方法が出現している.
PERSPECTIVE
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弱者へのケアか,強者への金か
Care for the Vulnerable vs. Cash for the Powerful医師であり米国下院議員であるトム・プライスは,トランプ政権の米国保健福祉長官候補であるが,米国でもっとも弱い立場にある人々に対するケアを改善する政策に反対した過去があり,医療費負担適正化法(ACA)に激しく反対している.
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21 世紀の治療に関する法律
The 21st Century Cures Actオバマ大統領が成立させた治療に関する法律(Cures Act)により,米国国立衛生研究所(NIH)は,好奇心駆動型の基礎的研究から有望な薬剤の高度な試験まで,幅広い生物医学研究を進めるためのきわめて重要な手段と資源を得られるようになる.
Videos, Images, and Multimedia
IMAGES IN CLINICAL MEDICINE
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上腕動脈の線維筋性異形成
Fibromuscular Dysplasia of the Brachial Artery68 歳の女性が,労作時呼吸困難と胸痛を訴えて受診した.女性は 5 年前に冠動脈バイパス術を受けていた.血管の診察で両側の橈骨動脈を触知し,右上腕血管造影にて数珠状(string of beads)の所見を認めた.
NEJM QUICK TAKE
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片頭痛の小児を治療する
Treating Children with Migraine米国では,600 万人を超える小児・思春期児が片頭痛を有するが,予防に特異的な治療を支持するエビデンスはほとんどない.よく使用されている薬剤は有効なのか,あるいは有害なのか? 最新の研究知見が短い動画にまとめられている.
CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL VIDEO
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言語病理学的評価
Speech Pathological Evaluation緩徐進行性失語症の 1 例の言語病理学的評価の一部を動画で紹介する.発話は流暢であるが失名詞失語であり,単語理解障害が認められた.
CLINICAL PRACTICE AUDIO
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大腸癌スクリーニング
Colorectal Cancer Screening大腸腫瘍のスクリーニングは,50 歳で開始し,76~85 歳のあいだは個別化スクリーニングを行うべきである.ほとんどのガイドラインでは,一つのスクリーニング戦略が他よりも優れているとして推奨することはない.この記事ではいくつかの最新の戦略を概説している.
PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW
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コレラを撃退する
Beating Back CholeraLouise Ivers が,ハリケーン直撃後のハイチにおけるコレラ伝播と予防接種の取組みについて論じている.