December 18, 1997 Vol. 337 No. 25
子宮内膜疾患の発見に対する経腟超音波検査と子宮内膜生検との比較
TRANSVAGINAL ULTRASONOGRAPHY COMPARED WITH ENDOMETRIAL BIOPSY FOR THE DETECTION OF ENDOMETRIAL DISEASE
R.D. LANGER AND OTHERS
経腟超音波検査は,子宮内膜疾患の発見に用いることが可能な非侵襲性技法である.しかし,エストロゲンまたはエストロゲン-プロゲステロン補充療法の前または療法中の閉経後女性に対する無症候疾患のスクリーニングにおけるその有用性はわかっていない.
われわれは,エストロゲン単独,周期的または持続的エストロゲン-プロゲステロン,またはプラセボを 3 年間投与した閉経後女性 448 人における子宮内膜疾患の発見に関して,経腟超音波検査と子宮内膜生検との感度と特異性を比較した.
女性 448 人での 557 検査について超音波検査結果と生検結果がともに得られ,そのうち 99%は毎年追跡調査が行われた.子宮内膜肥厚は検査の 45%では 5 mm 未満,41%において 5~10 mm,12%において 10 mm 以上,そして 2%では測定しておらず,エストロゲン単独群の女性でその他の群より高かった.生検により,重篤な疾患を11 例発見した:腺癌 1 例,異形単純過形成 2 例,そして複合過形成 8 例.また,生検は 20 例に単純過形成を発見した.子宮内膜肥厚の閾値を 5 mm とすると,経腟超音波検査では,異常を検出する陽性予測値は 9%で,感度は 90%,特異度は 48%,そして陰性予測値は 99%であった.この閾値では,半数以上の女性に生検を必要としたが,重篤な疾患を示した女性はわずか 4%にすぎなかった.
経腟超音波検査は無症候性閉経後女性での重篤な子宮内膜疾患の発見に関して,陽性予測値は低いが,陰性予測値が高い.