January 22, 2004 Vol. 350 No. 4
出生時に性別を女性とされた遺伝的には男性の総排泄腔外反症児における性同一性の不一致
Discordant Sexual Identity in Some Genetic Males with Cloacal Exstrophy Assigned to Female Sex at Birth
W.G. Reiner and J.P. Gearhart
総排泄腔外反症は,胚形成時に起る骨盤全体および骨盤内組織のまれな複合欠損であり,遺伝的には男性である患児において重篤な陰茎発育不全や陰茎欠損と関連する.陰茎発育不全の問題に対処するため,この 25 年間,罹患した男児に対しては新生児期に性別を女性とすることが推奨されてきたが,転帰に関するデータは依然として少ない.
われわれの総排泄腔外反症クリニックにおいて,組み入れ時に 5~16 歳の遺伝的には男性である患児計 16 例を評価した.14 例は,新生児期に社会的・法律的に,そして外科的処置を行って性別を女性とした;残る 2 例の両親はこれを拒否した.詳細な質問票を用いて,対象者自身による継続的な性別の申告によって定義した性的役割および性同一性の発達について,広範囲にわたって評価した.
性別を女性とされた 14 例の対象者のうち,8 例がこの研究の過程で自分は男性であると申告し,一方,男性として育てられた 2 例は男性のままであった.対象者は,表明された性同一性に従ってグループ分けが可能であった.5 例は女性として生活していた;3 例は,うち 2 例が自分は男性であると申告していたが,性同一性が曖昧な状態で生活していた;8 例は男性として生活し,うち 6 例が性別を女性から男性へと変更していた.16 例の対象者は全員,中等度から高度の男性に典型的と考えられる態度や関心を示した.追跡期間は 34~98 ヵ月であった.
重篤な陰茎発育不全を理由に,遺伝的には男性である新生児の性別を機械的に女性とすることは,予測不可能な性同一性の認識という結果につながる可能性がある.そのような小児に対する臨床的介入は,これらの知見を考慮して再検討すべきである.