March 27, 2008 Vol. 358 No. 13
妊娠中期の子宮頸管長と初回帝王切開分娩のリスク
Cervical Length at Mid-Pregnancy and the Risk of Primary Cesarean Delivery
G.C.S. Smith and Others
生理学と生化学に関する諸研究から,正期産は,妊娠初期にプログラムされている子宮の膨張に左右されることが示唆されている.また,妊娠中期における子宮頸管長の短縮は,自然早産のリスク増加と関連することが知られている.われわれは,妊娠中期に子宮頸管長が長いことが,正期産で帝王切開になるリスクの増加と関連しているという仮説を立てた.
中央値で妊娠 23 週の時点の子宮頸管長が 16 mm 以上で,最終的に正期産で生児を出産した初産の女性 27,472 例を調査した.
正期産で帝王切開分娩した率は,妊娠中期の子宮頸管長が最低四分位(16~30 mm)の女性でもっとも低く(16.0%),第 2 四分位(18.4%,31~35 mm),第 3 四分位(21.7%,36~39 mm),第 4 四分位(25.7%,40~67 mm)の女性では有意に高かった(傾向性の P<0.001).第 4 四分位の女性における帝王切開分娩のオッズ比は,第 1 四分位の女性と比較して 1.81 であった(95%信頼区間 [CI] 1.66~1.97).また,母親の年齢,体格指数(BMI),喫煙状態,人種・民族,出生時の妊娠週数,自発分娩か誘発分娩か,出生時体重パーセンタイル,出産した病院について補正したオッズ比は 1.68 であった(95% CI 1.53~1.84,P<0.001).帝王切開分娩のリスク増加は,分娩における進行不良に対して行われる処置に起因するものであった.
妊娠中期の子宮頸管長は,初産の女性において,正期帝王切開分娩のリスクの独立した予測因子である.