The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

August 7, 2014 Vol. 371 No. 6

PALB2 変異保有者のいる家族における乳癌リスク
Breast-Cancer Risk in Families with Mutations in PALB2

A.C. Antoniou and Others

背景

PALB2 の生殖系列での機能喪失型変異は,乳癌の素因をもたらすことが知られている.しかし,このような変異がもたらす乳癌の生涯リスクは明らかにされていない.

方 法

PALB2 に有害な短縮変異,スプライス変異,または欠失変異を有する 154 家族 362 人の乳癌リスクを分析した.PALB2 遺伝型の影響と,残りの家族因子の影響を考慮に入れた修正分離解析法を用いて,変異保有者の乳癌リスクを年齢別に推定した.

結 果

PALB2 変異保有女性における乳癌リスクは,一般集団と比較して,40 歳未満では 8~9 倍,40~60 歳では 6~8 倍,60 歳超では 5 倍高かった.変異保有女性における乳癌の推定累積リスクは,50 歳までは 14%(95%信頼区間 [CI] 9~20),70 歳までは 35%(95% CI 26~46)であった.乳癌リスクは,出生年代別コホート(P<0.001),および他の家族因子(P=0.04)によっても有意な影響を受けていた.PALB2 変異保有女性において 70 歳までに乳癌が発生する絶対リスクは,乳癌の家族歴のない場合は 33%(95% CI 25~44)であり,50 歳の時点で乳癌に罹患していた第一度近親者が 2 人以上存在する場合は 58%(95% CI 50~66)と幅があった.

結 論

PALB2 の機能喪失型変異は,乳癌の素因となる変異の頻度と,それらに関連するリスクの 2 つの点で,遺伝性乳癌の重要な原因である.われわれのデータは,PALB2 変異保有者の乳癌リスクは,BRCA2 変異保有者の乳癌リスクと部分的に重複している可能性があることを示唆している.(European Research Council ほかから研究助成を受けた.)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2014; 371 : 497 - 506. )