February 5, 2015 Vol. 372 No. 6
プライマリケアに対するメディケイドの支払い増額後の予約可能性
Appointment Availability after Increases in Medicaid Payments for Primary Care
D. Polsky and Others
医療費負担適正化法(ACA)の主要条項の一つである,メディケイドのプライマリケアに対する償還の増額により,メディケイドの 2013 年と 2014 年の特定の医療サービスおよびサービス提供者に対する支払いが,メディケアの水準まで引き上げられた.連邦政府資金による償還の増額は,増大するメディケイド加入者のプライマリケアへのアクセスを拡大することが目的であった.償還の増額は 2014 年末,ほとんどの州で,政策立案者がその効果についての経験的エビデンスを十分に得る前に終了された.
10 の州を対象に,2012 年 11 月~2013 年 3 月と,2014 年 5 月~7 月の 2 つの期間における,予約可能性と予約日までの待ち時間を評価した.訓練を受けた現場スタッフが,メディケイド加入者または民間保険契約者を装ってプライマリケアの新患予約を試みた.メディケイド加入者の新患予約を受け入れる意志が,メディケイド償還の増額の程度と関連していたかどうかを州ごとに評価するため,メディケイドに参加しているプライマリケア施設の安定したコホートにおける州レベルでの経時的変化を推定した.
メディケイド群におけるプライマリケアの予約可能性は,2 つの期間で 58.7%から 66.4%へと,7.7 パーセントポイント増加した.予約可能性の増加が最大であった州は,償還の増額が最大の州である傾向がみられ,メディケイド償還の 10%増額につき,予約可能性は 1.25 パーセントポイント増加すると推定された(P=0.03).民間保険群ではこのような関連は認められなかった.同期間について,両群とも予定された新患予約日までの待ち時間に経時的変化はみられなかった.
今回の研究から,ACA で義務付けられたプライマリケア提供者に対するメディケイド償還の増額は,メディケイドに参加しているプライマリケア提供者において,メディケイド加入者の予約の待ち時間が延長することなく,予約可能性が高まることに関連するという初期のエビデンスが得られた.(ロバート・ウッド・ジョンソン財団から研究助成を受けた.)