The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

August 25, 2016 Vol. 375 No. 8

急性リンパ芽球性白血病に対するイノツズマブ オゾガマイシンと標準的治療との比較
Inotuzumab Ozogamicin versus Standard Therapy for Acute Lymphoblastic Leukemia

H.M. Kantarjian and Others

背景

再発成人急性リンパ芽球性白血病(ALL)の予後は不良である.再発・難治性 ALL 患者に対し,カリケアマイシンに抗 CD22 抗体を結合させたイノツズマブ オゾガマイシン(inotuzumab ozogamicin)を投与することで,標準的治療と比較して,良好な転帰が得られるかどうかを検討した.

方 法

第 3 相試験で,再発・難治性成人 ALL 患者を,イノツズマブ オゾガマイシン投与(イノツズマブ オゾガマイシン群)と,標準強化化学療法(標準的治療群)に無作為に割り付けた.主要評価項目は,完全寛解(造血回復が不十分な完全寛解を含む)と全生存期間とした.

結 果

intention-to-treat 集団 326 例のうち,無作為化された最初の 218 例(各群 109 例)を完全寛解の主要解析の対象とした.完全寛解率は,イノツズマブ オゾガマイシン群のほうが標準的治療群よりも有意に高かった(80.7% [95%信頼区間 {CI} 72.1~87.7] 対 29.4% [95% CI 21.0~38.8],P<0.001).完全寛解例のうち,イノツズマブ オゾガマイシン群のほうが,微小残存病変の閾値(骨髄芽球が 0.01%)を下回る割合が高かった(78.4% 対 28.1%,P<0.001).寛解期間中央値は,イノツズマブ オゾガマイシン群のほうが長かった(4.6 ヵ月 [95% CI 3.9~5.4] 対 3.1 ヵ月 [95% CI 1.4~4.9],ハザード比 0.55 [95%CI 0.31~0.96],P=0.03).326 例全例を対象とした生存解析では,無増悪生存期間中央値はイノツズマブ オゾガマイシン群のほうが有意に長く(5.0 ヵ月 [95% CI 3.7~5.6] 対 1.8 ヵ月 [95% CI 1.5~2.2],ハザード比 0.45 [97.5% CI 0.34~0.61],P<0.001),全生存期間中央値はイノツズマブ オゾガマイシン群の 7.7 ヵ月(95% CI 6.0~9.2)に対し,標準的治療群では 6.7 ヵ月(95% CI 4.9~8.3)であり,ハザード比は 0.77(97.5% CI 0.58~1.03)であった(P=0.04).安全性解析対象集団において,イノツズマブ オゾガマイシン投与例で頻度が高かったグレード 3 以上の非血液学的有害事象は,肝臓に関連するものであった.あらゆるグレードの肝静脈閉塞性疾患は,イノツズマブ オゾガマイシンを投与した 15 例(11%)と,標準的治療を受けた 1 例(1%)で認められた.

結 論

イノツズマブ オゾガマイシン群は,標準的治療群と比較して,完全寛解率が高く,微小残存病変の閾値を下回る割合が高かった.無増悪生存期間と全生存期間はともに,イノツズマブ オゾガマイシン群のほうが長かった.イノツズマブ オゾガマイシンに関連する主要な有害事象は肝静脈閉塞性疾患であった.(Pfizer 社から研究助成を受けた.INO-VATE ALL 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01564784)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2016; 375 : 740 - 53. )