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December 14, 2023 Vol. 389 No. 24

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転移性ぶどう膜悪性黒色腫に対するテベンタフスプによる 3 年全生存率
Three-Year Overall Survival with Tebentafusp in Metastatic Uveal Melanoma

J.C. Hassel and Others

背景

テベンタフスプ(tebentafusp)は,糖蛋白 100 と CD3 を標的とする,T 細胞受容体二重特異性分子であり,HLA-A*02:01 陽性の,切除不能または転移性ぶどう膜悪性黒色腫の成人患者に対して承認されている.第 3 相試験の主要解析により,テベンタフスプに関連する長期生存への利益が支持された.

方 法

その非盲検第 3 相試験の 3 年間の有効性と安全性の結果を報告する.この試験では,HLA-A*02:01 陽性の転移性ぶどう膜悪性黒色腫未治療患者を,乳酸脱水素酵素値で層別化し,テベンタフスプの投与を受ける群(テベンタフスプ群)と,ペムブロリズマブ,イピリムマブ,ダカルバジンのなかから試験担当医師が選択した単剤療法を受ける群(対照群)に,2:1 の割合で無作為に割り付けた.主要エンドポイントは全生存とした.

結 果

最小追跡期間 36 ヵ月の時点で,全生存期間の中央値は,テベンタフスプ群で 21.6 ヵ月,対照群で 16.9 ヵ月であった(死亡のハザード比 0.68,95%信頼区間 0.54~0.87).3 年全生存率の推定値は,テベンタフスプ群で 27%,対照群で 18%であった.テベンタフスプ群でとくに頻度の高かった,全グレードの治療関連有害事象は,皮疹(83%),発熱(76%),瘙痒(70%),低血圧(38%)であった.テベンタフスプに関連した有害事象の大部分は治療早期に発現し,長期投与に伴う新たな有害事象は観察されなかった.有害事象により治療を中止した患者の割合は,両群とも低いままであった(テベンタフスプ群 2%,対照群 5%).治療関連死は発生しなかった.

結 論

3 年間の解析から,HLA-A*02:01 陽性転移性ぶどう膜悪性黒色腫の未治療成人患者における,テベンタフスプによる全生存への長期的な利益は,持続することが支持された.(イミュノコア社から研究助成を受けた.IMCgp100-202 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT03070392,EudraCT 登録番号 2015-003153-18)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2023; 389 : 2256 - 66. )