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February 15, 2024 Vol. 390 No. 7

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禁煙に用いる電子ニコチン送達システム
Electronic Nicotine-Delivery Systems for Smoking Cessation

R. Auer and Others

背景

電子ニコチン送達システムは,電子たばことも呼ばれ,禁煙補助に使用する喫煙者もいる.このシステムの有効性と安全性に関するエビデンスが必要である.

方 法

非盲検比較試験で,1 日 5 本以上喫煙し,禁煙日の設定を希望している成人を,電子たばこと電子たばこ用液体(e-リキッド)の無料提供,標準治療の禁煙カウンセリング,任意の(無料ではない)ニコチン代替療法を行う介入群と,標準的なカウンセリングと,ニコチン代替療法を含むあらゆる目的に使用できるバウチャーの提供を行う対照群に無作為に割り付けた.主要転帰は,6 ヵ月の時点での生化学的に確認された禁煙の継続とした.副次的転帰は,6 ヵ月の時点で参加者が報告した禁煙,あらゆるニコチン(たばこ,電子たばこ,ニコチン代替療法由来)からの離脱,呼吸器症状,重篤な有害事象などとした.

結 果

1,246 人が無作為化され,622 人が介入群,624 人が対照群に割り付けられた.禁煙の継続が生化学的に確認された参加者の割合は,介入群 28.9%,対照群 16.3%であった(相対リスク 1.77,95%信頼区間 1.43~2.20).6 ヵ月時受診の前の 7 日間の禁煙を報告した参加者の割合は,介入群 59.6%,対照群 38.5%であったが,あらゆるニコチンからの離脱を報告した参加者の割合は,介入群 20.1%,対照群 33.7%であった.重篤な有害事象は介入群では 25 人(4.0%),対照群では 31 人(5.0%)に発現し,有害事象はそれぞれ 272 人(43.7%)と 229 人(36.7%)に発現した.

結 論

喫煙者に対して,標準的な禁煙カウンセリングに電子たばこの提供を追加した場合,禁煙カウンセリングのみを行った場合よりも禁煙割合が高くなった.(スイス国立科学財団ほかから研究助成を受けた.ESTxENDS 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT03589989)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2024; 390 : 601 - 10. )