November 12, 1998 Vol. 339 No. 20
1981~83 年と 1992~94 年のカナダの未熟児出産率の決定因子
DETERMINANTS OF PRETERM BIRTH RATES IN CANADA FROM 1981 THROUGH 1983 AND FROM 1992 THROUGH 1994
K.S. JOSEPH AND OTHERS
未熟児出産率は,過去 20 年間にカナダを含め,多くの国で増加している.しかし,増加の基礎をなす要因はあまり理解されていない.
カナダ統計局(Statistics Canada)の生産および死産に関するデータベースのデータを用いて,1981~83 年のあいだ,および 1992~94 年のあいだにカナダにおける,多胎出産の発生率の変化,妊娠の非常に早い時期に起る出産の登録,産科的介入のパターン,および超音波を用いた妊娠齢の決定が,未熟児出産の発生率に及ぼす効果を調べた.カナダの12 の州および地域のうち 9 州におけるすべての出産を含めた.ロジスティック回帰分析および Poisson 回帰分析を用いて,未熟児出産を引き起しうる上記決定因子について補正した後,二つの 3 年間のあいだの変化を推定した.
未熟児出産は,1981~83 年での生産の 6.3%から 1992~94 年の 6.8%に増加し,相対増加は 9%(95%信頼区間,7~10%)であった.単胎出産では,未熟児出産は 5%増加した(95%信頼区間,3~6%).多胎出産は,生産全体の 1.9%から 2.1%に増加した;多胎妊娠に起因する生産での未熟児出産の発生率は 25%増加した(95%信頼区間,21~28%).未熟児出産を引き起しうる決定因子について補正すると,未熟児出産の発生率の増加は,生産全体の 3%,そして単胎出産の 1%に減少した.
カナダにおける未熟児出産の最近の増加は,多胎出産の発生率の変化,産科的介入,そして超音波を用いた妊娠齢の推定に起因するところが大きい.