November 12, 1998 Vol. 339 No. 20
聴神経腫瘍に対する放射線手術後の長期転帰
LONG-TERM OUTCOMES AFTER RADIOSURGERY FOR ACOUSTIC NEUROMAS
D. KONDZIOLKA, L.D. LUNSFORD, M.R. MCLAUGHLIN, AND J.C. FLICKINGER
定位放射線手術は,聴神経腫瘍(前庭神経鞘腫)に対する微小外科切除の主な代用法である.放射線手術の目標は,腫瘍増殖の長期予防,神経機能の維持,および新たな神経学的欠損の予防である.容認できる短縮転帰は報告されているが,長期転帰は十分に報告されていない.
1987~92 年に聴神経腫瘍に対する放射線手術を受けた一連の患者 162 人を,術後 5~10 年間,連続的な画像検査,臨床評価,患者調査によって評価した.腫瘍辺縁への放射線の平均照射量は 16 Gy で,腫瘍径の平均は 22 mm(範囲 8~39 mm)であった.42 人(26%)はすでに切除術が行われており,うち 13 人は全切除後に再発をきたしていた.放射線手術前,患者の 76%は顔面機能が正常であり,20%は十分な聴覚機能を有していた.
腫瘍コントロール率(切除を必要としない)は 98%であった.腫瘍 100 個(62%)が小さくなり,53 個(33%)は大きさに変化なく,9 個(6%)は若干大きくなった.切除術は放射線手術後 4 年以内に 4 人(2%)に行われた.5 年後,正常な顔面機能は患者の 79%で保持され(House–Brackmann 分類グレード 1),正常な三叉神経機能は 73%で保持された.患者の 51%では聴力に変化がなかった.新たな神経学的欠損は,放射線手術後 28 ヵ月以上現れなかった.転帰に関する質問票は 115 人(生存している 149 人の 77%)から回答を得た.このうち 54 人(47%)は放射線手術時雇用されており,そのうち 37 人(69%)で雇用は継続されていた.放射線手術は,手術歴のある 30 人全員,そして手術歴のない 85 人中 81 人(95%)で成功したと思われた.115 人中 36 人(31%)が少なくとも一つの合併症を報告し,そのうち 56%で消失した.
放射線療法は,神経機能を保持しながら聴神経腫瘍の長期コントロールを得ることができる.