October 10, 2013 Vol. 369 No. 15
抜管後の超早産児に対する高流量鼻カニューレ
High-Flow Nasal Cannulae in Very Preterm Infants after Extubation
B.J. Manley and Others
高流量鼻カニューレは,抜管後の超早産児(在胎 32 週未満)に対する非侵襲的呼吸補助として,経鼻的持続陽圧呼吸療法(CPAP)に代わって普及してきている.しかし,この集団における高流量鼻カニューレの有効性や安全性に関するデータは不足している.
多施設共同無作為化非劣性試験において,超早産児 303 例を,抜管後に高流量鼻カニューレ(5~6 L/分)による治療を行う群と,経鼻 CPAP(7 cmH2O)による治療を行う群に割り付けた.主要評価項目は 7 日以内の治療失敗とした.非劣性は,主要評価項目のリスクの絶対差を算出して判定した;非劣性マージンは 20 パーセントポイントとした.高流量鼻カニューレによる治療が失敗した乳児には経鼻 CPAP による治療を可能とした;経鼻 CPAP が失敗した乳児には再挿管をした.
治療失敗は鼻カニューレ群 152 例中 52 例(34.2%)と CPAP 群 151 例中 39 例(25.8%)に発生し(リスク差 8.4 パーセントポイント,95%信頼区間 -1.9~18.7),高流量鼻カニューレは経鼻 CPAP に対して非劣性であった.高流量鼻カニューレによる治療が失敗した乳児の約半数では,CPAP による治療が成功し,再挿管は行われなかった.鼻部外傷の発生率は,鼻カニューレ群のほうが CPAP 群よりも有意に低かったが(P=0.01),重篤な有害事象やその他合併症の発生率に有意差は認められなかった.
主要評価項目の結果は非劣性マージンに近かったものの,抜管後の超早産児に対する呼吸補助としての高流量鼻カニューレの有効性は,CPAP と同程度であった.(国立保健医療研究評議会から研究助成を受けた.Australian New Zealand Clinical Trials Network 番号:ACTRN12610000166077)