The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

December 28, 2017 Vol. 377 No. 26

重症血友病 A に対する AAV5–第 VIII 因子遺伝子導入
AAV5-Factor VIII Gene Transfer in Severe Hemophilia A

S. Rangarajan and Others

背景

血友病 A 患者は,関節,軟部組織,中枢神経系の出血の予防を外因性第 VIII 因子に依存している.血友病 B 患者では遺伝子導入の成功が報告されているが,血友病 A 患者では,第 VIII 因子のコード領域の大きさが遺伝子治療による転帰の改善を妨げている.

方 法

重症血友病 A の男性患者 9 例に,コドンを最適化した B ドメイン欠損ヒト第 VIII 因子をコードするアデノ随伴ウイルス血清型 5(AAV5)ベクター(AAV5-hFVIII-SQ)を単回静脈内投与した.患者を 3 つの用量コホートの 1 つに逐次的に登録し(低用量 [1 例],中用量 [1 例],高用量 [7 例]),52 週間追跡した.

結 果

低用量投与例も中用量投与例も,第 VIII 因子活性は 3 IU/dL 以下のままであった.高用量コホートでは,7 例全例で遺伝子導入後 2 週から 9 週の時点で第 VIII 因子活性は 5 IU/dL を上回り,うち 6 例は正常値(>50 IU/dL)まで上昇し,1 年の時点でも維持されていた.また,高用量コホートでは,定期補充療法歴のある患者における出血の年間発生率の中央値は,試験前の 16 件から遺伝子導入後には 1 件へと低下し,患者から報告された出血に対する第 VIII 因子製剤の使用は,このコホートの全例で 22 週までになくなった.主な有害事象は血清アラニンアミノトランスフェラーゼ上昇であり,正常値上限の最大で 1.5 倍まで上昇した.1 例で認められた既存の慢性関節症の増悪が唯一の重篤な有害事象であった.第 VIII 因子の中和抗体は検出されなかった.

結 論

AAV5-hFVIII-SQ の注入は,高用量を用いた 7 例のうち,6 例で第 VIII 因子活性の正常化の 1 年の持続と止血の安定化に関連し,7 例全例で第 VIII 因子製剤の使用の大幅な減少に関連した.この小規模試験では,安全性イベントは認められなかったが,安全性に関する結論を出すことはできない.(BioMarin Pharmaceutical 社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02576795,EudraCT 登録番号 2014-003880-38)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2017; 377 : 2519 - 30. )