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November 30, 2023 Vol. 389 No. 22

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EGFR エクソン 20 挿入変異陽性非小細胞肺癌に対するアミバンタマブと化学療法の併用
Amivantamab plus Chemotherapy in NSCLC with EGFR Exon 20 Insertions

C. Zhou and Others

背景

アミバンタマブ(amivantamab)は,上皮成長因子受容体(EGFR)エクソン 20 挿入変異陽性の進行非小細胞肺癌(NSCLC)患者において,白金製剤ベースの化学療法の施行中または施行後に病勢進行が認められた場合の治療薬として承認されている.アミバンタマブを,カルボプラチン+ペメトレキセド(化学療法)と併用した場合の安全性と抗腫瘍活性が第 1 相試験のデータから示された.この併用療法に関するさらなるデータが必要である.

方 法

第 3 相国際共同無作為化試験で,全身療法歴のない,EGFR エクソン 20 挿入変異陽性進行 NSCLC 患者を,アミバンタマブの静脈内投与と化学療法を併用する群(アミバンタマブ+化学療法群)と,化学療法を単独で行う群(化学療法単独群)に 1:1 の割合で割り付けた.主要転帰は,独立中央判定委員会が盲検下で評価した無増悪生存とした.化学療法単独群で病勢進行が認められた患者は,アミバンタマブ単剤投与へのクロスオーバーを可能とした.

結 果

308 例が無作為化された(アミバンタマブ+化学療法群 153 例,化学療法単独群 155 例).無増悪生存期間はアミバンタマブ+化学療法群のほうが化学療法単独群よりも有意に長かった(中央値はそれぞれ 11.4 ヵ月と 6.7 ヵ月,病勢進行または死亡のハザード比 0.40,95%信頼区間 [CI] 0.30~0.53,P<0.001).18 ヵ月の時点で,無増悪生存割合はアミバンタマブ+化学療法群 31%,化学療法単独群 3%であり,データカットオフ時点での完全奏効・部分奏効の割合は,それぞれ 73%と 47%であった(率比 1.50,95% CI 1.32~1.68,P<0.001).全生存の中間解析(成熟度 33%)では,アミバンタマブ+化学療法群の,化学療法単独群と比較した死亡のハザード比は 0.67(95% CI 0.42~1.09,P=0.11)であった.アミバンタマブ+化学療法に関連する主な有害事象は,可逆的な血液毒性と EGFR 関連毒性であり,患者の 7%が有害反応によりアミバンタマブを中止した.

結 論

EGFR エクソン 20 挿入変異陽性進行 NSCLC 患者に対して,一次治療としてアミバンタマブと化学療法を併用した場合,化学療法を単独で行った場合と比較して有効性が高かった.(ヤンセン・リサーチ・アンド・ディベロップメント社から研究助成を受けた.PAPILLON 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT04538664)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2023; 389 : 2039 - 51. )