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November 30, 2023 Vol. 389 No. 22

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人工呼吸器関連肺炎を予防するための吸入アミカシン
Inhaled Amikacin to Prevent Ventilator-Associated Pneumonia

S. Ehrmann and Others

背景

予防的抗菌薬吸入が,人工呼吸器関連肺炎の発生率を低下させる可能性があるかどうかは明らかでない.

方 法

研究者主導多施設共同二重盲検無作為化比較優越性試験で,侵襲的人工呼吸管理を 72 時間以上受けていた重症成人を,アミカシン 20 mg/kg 理想体重を 1 日 1 回,3 日間吸入投与する群と,プラセボを投与する群に割り付けた.主要転帰は,28 日の追跡期間中に発生した人工呼吸器関連肺炎の初回エピソードとした.安全性を評価した.

結 果

850 例が無作為化され,847 例が解析対象となった(アミカシン群 417 例,プラセボ群 430 例).アミカシン群の 337 例(81%)と,プラセボ群の 355 例(83%)が 1 日 1 回のネブライザー吸入を 3 回すべて受けた.28 日の時点で,人工呼吸器関連肺炎は,アミカシン群では 62 例(15%)に発生し,プラセボ群では 95 例(22%)に発生していた(人工呼吸器関連肺炎発生までの制限付き平均生存期間の差 1.5 日,95%信頼区間 [CI] 0.6~2.5,P=0.004).感染に伴う人工呼吸器関連合併症は,アミカシン群では 74 例(18%)に発生し,プラセボ群では 111 例(26%)に発生した(ハザード比 0.66,95% CI 0.50~0.89).試験に関連する重篤な有害事象は,アミカシン群の 7 例(1.7%)とプラセボ群の 4 例(0.9%)に認められた.

結 論

人工呼吸管理を 3 日間以上受けている患者では,その後 3 日間のコースのアミカシン吸入により,28 日の追跡期間中の人工呼吸器関連肺炎の負荷が減少した.(フランス保健省から研究助成を受けた.AMIKINHAL 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT03149640,EudraCT 登録番号 2016-001054-17)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2023; 389 : 2052 - 62. )