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December 28, 2023 Vol. 389 No. 26

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巣状分節性糸球体硬化症に対するスパルセンタンとイルベサルタンとの比較
Sparsentan versus Irbesartan in Focal Segmental Glomerulosclerosis

M.N. Rheault and Others

背景

巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)の治療にはアンメットニーズが存在する.エンドセリンとアンジオテンシンのデュアル受容体拮抗薬スパルセンタン(sparsentan)は,8 週間の第 2 相試験で FSGS 患者の蛋白尿を減少させた.FSGS に対する,より長期のスパルセンタン投与の有効性と安全性は不明である.

方 法

第 3 相試験で,8~75 歳の FSGS(既知の二次性 FSGS の原因なし)の患者を組み入れ,スパルセンタンを 108 週間投与する群と,イルベサルタン(実薬対照)を 108 週間投与する群に無作為に割り付けた.事前に規定した 36 週の時点での中間解析では,FSGS 蛋白尿の部分寛解のエンドポイント(尿蛋白/クレアチニン比 [g/gCr] が 1.5 以下,かつベースラインから 40%を超えて低下と定義)を有効性の代替エンドポイントとして評価した.主要有効性エンドポイントは,最終解析の時点での推算糸球体濾過量(eGFR)スロープ(1 年あたりの変化量)とした.副次的エンドポイントは,ベースラインから投与終了後 4 週目(112 週目)までの eGFR 変化量とした.安全性も評価した.

結 果

371 例が無作為化され,184 例がスパルセンタン群,187 例がイルベサルタン群に割り付けられた.36 週の時点で,蛋白尿の部分寛解が得られた患者の割合は,スパルセンタン群では 42.0%,イルベサルタン群では 26.0%であり(P=0.009),この効果は 108 週目まで持続した.108 週の最終解析の時点で,eGFR スロープに有意な群間差は認められず,全投与期間(1 日目~108 週目)のスロープの群間差は 0.3 mL/分/1.73 m2 体表面積/年(95%信頼区間 [CI] -1.7~2.4),6 週目~108 週目のスロープ(すなわち,慢性期のスロープ)の群間差は 0.9 mL/分/1.73 m2/年(95% CI -1.3~3.0)であった.ベースラインから 112 週目までの eGFR 変化量の平均値は,スパルセンタン群では -10.4 mL/分/1.73 m2,イルベサルタン群では -12.1 mL/分/1.73 m2 であった(差 1.8 mL/分/1.73 m2,95% CI -1.4~4.9).スパルセンタンとイルベサルタンは同様の安全性プロファイルを示し,有害事象の頻度は 2 群で同程度であった.

結 論

FSGS 患者において,スパルセンタン群のほうがイルベサルタン群よりも蛋白尿の減少が大きかったものの,108 週目の eGFR スロープに有意な群間差は認められなかった.(トラヴィア セラピューティクス社から研究助成を受けた.DUPLEX 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT03493685)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2023; 389 : 2436 - 45. )