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January 18, 2024 Vol. 390 No. 3

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乳児死亡を予防するための定期健診時のアジスロマイシン
Azithromycin during Routine Well-Infant Visits to Prevent Death

A. Sié and Others

背景

サハラ以南のアフリカで,生後 1~59 ヵ月の小児にアジスロマイシンを大量配布したところ,一部の地域で小児の全死因死亡率が低下し,生後 12 ヵ月未満の児でもっとも大きく低下したことが示されている.乳児の定期健診時に行うアジスロマイシン投与が,死亡の予防に効果があるかどうかは明らかでない.

方 法

乳児期(生後 5~12 週)に行うアジスロマイシン(20 mg/kg 体重)の単回投与を,プラセボと比較する無作為化プラセボ対照試験を行った.主要エンドポイントは生後 6 ヵ月前の死亡とした.ブルキナファソの 3 つの地域において,診療所での定期ワクチン接種・その他の乳児健診時や,地域の支援活動を通じて,乳児を登録した.生後 6 ヵ月の時点で生存状態を評価した.

結 果

2019 年 9 月~2022 年 10 月に登録された乳児 32,877 人のうち,16,416 人がアジスロマイシン群,16,461 人がプラセボ群に無作為に割り付けられた.アジスロマイシン群の 82 人とプラセボ群の 75 人が生後 6 ヵ月前に死亡し(ハザード比 1.09,95%信頼区間 [CI] 0.80~1.49,P=0.58),死亡率の絶対差は 0.04 パーセントポイント(95% CI -0.10~0.21)であった.年齢別,性別,ベースラインの体重別などの,事前に規定したサブグループのいずれからも,アジスロマイシンの死亡に対する効果を示す知見や,有害事象の発現率の群間差を示す知見は得られなかった.

結 論

ブルキナファソで行われた試験で,既存の医療システムを通じて乳児にアジスロマイシンを投与しても,死亡を予防することはできないことが明らかになった.(ビル&メリンダ・ゲイツ財団から研究助成を受けた.CHAT 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT03676764)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2024; 390 : 221 - 0. )