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June 26, 1997 Vol. 336 No. 26

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台湾での全国的 B 型肝炎ワクチン接種と小児の肝細胞癌の発生率
UNIVERSAL HEPATITIS B VACCINATION IN TAIWAN AND THE INCIDENCE OF HEPATOCELLULAR CARCINOMA IN CHILDREN

M.-H. CHANG AND OTHERS

背景

台湾では,全域的な B 型肝炎ワクチン接種プログラムが 1984 年 7 月に実施された.肝細胞癌の発症に及ぼすこのプログラムの効果を評価するため,1981~94 年の台湾における小児の肝細胞癌の発生率を調査した.

方 法

台湾国内の病床数 50 床超の 142 病院より報告を受け取っている台湾がん登録から,小児の肝癌に関するデータを収集した.台湾の 17 の主要な医療施設からも,小児肝癌に関するデータを入手した.肝芽細胞腫の症例の算入を防ぐため,主要解析は 6 歳以上の小児における肝癌に限定した.小児の肝癌の死亡率についてもデータを得た.

結 果

6~14 歳の小児の肝細胞癌の平均年間発生率は,1981~86 年に小児 10 万人当たり 0.70 であったのが,1986~90 年には 0.57 に低下し,1990~94 年には 0.36 に低下した(p<0.01).年間肝細胞癌死亡率も同様に低下した.6~9 歳の小児の肝細胞癌の発生率は,1974~84 年に出生した小児では 0.52 であったのが,1984~86 年に出生した小児では 0.13 に低下した(p<0.001).

結 論

台湾の全域的 B 型肝炎ワクチン接種プログラムの実施により,小児の肝細胞癌の発生率は低下した.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1997; 336 : 1855 - 9. )