The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

April 23, 1998 Vol. 338 No. 17

角膜神経栄養性潰瘍に対する神経成長因子による局所治療
TOPICAL TREATMENT WITH NERVE GROWTH FACTOR FOR CORNEAL NEUROTROPHIC ULCERS

A. LAMBIASE, P. RAMA, S. BONINI, G. CAPRIOGLIO, AND L. ALOE

背景

 角膜の感覚神経支配障害に関連する角膜神経栄養性潰瘍は,失明にいたることがあり,これらの潰瘍に対する有効な治療はない.われわれは,この疾患患者における神経成長因子の効果を評価した.

方 法

 角膜麻酔に関連した重度角膜神経栄養性潰瘍患者 12 人 (眼 14 個) を神経成長因子の局所投与で 1 日 10 回 2 日間治療し,その後潰瘍が治癒するまで 1 日 6 回の治療を毎日行った.潰瘍の治癒後も治療を 2 週間継続し,患者をその後 15 ヵ月間追跡調査した.治療中および追跡期間中の角膜疾患の経過を,スリットランプ検査,写真撮影,フルオレセイン色素検査,そして角膜感受性試験と矯正視力試験によって評価した.

結 果

 角膜の治癒は神経成長因子による治療開始後 2 ~ 14 日に始り,患者全員の角膜潰瘍は治療 10 日~ 6 週間後に完全に治癒した.角膜感受性は 13 個の眼において改善し,13 の眼のうち二つでは正常に回復した.角膜の整合性と感受性は追跡調査期間中 (範囲,3 ~ 15 ヵ月) も維持された.矯正視力はすべての患者において治療および追跡調査期間中に次第に増加した.治療の全身または局所副作用は認められなかった.

結 論

 この予備的非対照試験において,局所適用の外因性神経成長因子は,角膜神経栄養性潰瘍患者の角膜整合性を回復させた.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1998; 338 : 1174 - 80. )