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January 22, 1998 Vol. 338 No. 4

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抗生物質とその他の抗感染症薬剤に関するコンピュータ補助管理プログラム
A COMPUTER-ASSISTED MANAGEMENT PROGRAM FOR ANTIBIOTICS AND OTHER ANTIINFECTIVE AGENTS

R.S. EVANS AND OTHERS

背景

重篤な患者に抗生物質とその他の抗感染症剤を用いるさいに最適な決定を下すには,膨大な量の複雑な情報にアクセスする必要がある.

方 法

われわれは,抗感染症剤の利用に関し医師を補助し,治療の質を改善することができる,コンピュータに基づく患者記録とリンクさせたコンピュータによる決定補助プログラムを開発した.このプログラムは,詳しい勧告および警告とともに疫学的情報を提供する.そのプログラムは,特定の患者に対して抗感染症剤および一連の治療を推奨し,即座にフィードバックを提供する.われわれは,ベッド数 12 の集中治療室でコンピュータによる抗感染症剤管理プログラムの 1 年間の利用についてプロスペクティブに調査した.

結 果

調査期間のあいだ,集中治療室に入った患者 545 人全員を,抗感染症剤管理プログラムの助けを借りて治療した.プロセスの尺度および転帰を,調査期間前 2 年間に同治療室に入った患者 1,136 人と比較した.プログラムの利用により,薬物アレルギーを報告した患者に対するその薬物の処方(35 回 対 調査期間以前での 146 回;p<0.01),薬物の用量過多(87 回 対 405 回,p<0.01),および抗生物質感受性ミスマッチ(12 回 対 206 回,p<0.01)が有意に減少した.薬物の用量過多の平均日数(2.7 日 対 5.9 日,p<0.002),および抗感染症剤によって生じた副作用(4 例 対 28 例,p<0.02)もまた著しく減少した.抗感染症剤を投与した患者の分析では,調査期間に常にコンピュータプログラムが推奨した薬剤を投与された患者(n=203)では,推奨薬剤を必ずしも投与されなかった患者(n=195)および調査以前のコホートの患者(n=766)と比べて,抗感染症剤の費用(補正平均値,102 ドル 対それぞれ,427 ドルおよび 340ドル;p<0.001),総入院費(補正平均値,26,315 ドル 対 44,865 ドルおよび 35,283 ドル;p<0.001),および入院期間(補正平均値,10.0 対 16.7 および 12.9 日;p<0.001)が有意に減少した.

結 論

コンピュータ化抗感染症管理プログラムは,患者の治療の質を改善させ,諸費用を減少させることができる.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1998; 338 : 232 - 8. )