The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

April 1, 1999 Vol. 340 No. 13

気管支肺異形成症の予防を目的とした早期グルココルチコイド吸入療法
Early Inhaled Glucocorticoid Therapy to Prevent Bronchopulmonary Dysplasia

C.H. COLE AND OTHERS

背景

喘息におけるグルココルチコイド吸入療法の安全性と有効性から,新生児における気管支肺異形成症の予防にも,この治療法が使用されるようになった.そこで,われわれは,グルココルチコイドの早期吸入療法が,未熟児の気管支肺異形成症の発症頻度を低下させるという仮説を検証した.

方 法

妊娠 33 週未満に生まれた出生体重が 1,250 g 以下の新生児で,人工呼吸管理が必要であった生後 3 ~ 14 日目までの 253 例を対象として,ベクロメタゾンまたはプラセボの吸入療法を比較する多施設共同無作為試験を実施した.ベクロメタゾンの吸入は,1 日用量を体重当り 40 m g / kg から 5 m g / kg に減量していく漸減法にて 4 週間行った.効果の主要評価項目は,日齢 28 日目時点における気管支肺異形成症の有無であった.副次評価項目は,最終月経後週齢 36 週目時点の気管支肺異形成症の有無,グルココルチコイドの全身投与療法の必要性,気管支拡張薬治療の必要性,呼吸補助の実施期間,および死亡であった.

結 果

123 例の新生児がベクロメタゾンの吸入療法,残りの 130 例がプラセボの吸入療法を受けた.気管支肺異形成症の発症頻度は 2 群間で同程度であった: すなわち,生後 28 日目時点の発症頻度はベクロメタゾン群が 43%,プラセボ群が 45%であった.また,最終月経から 36 週目時点の発症頻度はベクロメタゾン群が 18%,プラセボ群が20%であった.生後 28 日目の時点で,グルココルチコイドの全身投与療法(相対危険度,0.6; 95%信頼区間,0.4 ~ 1.0),および機械的人工換気(相対危険度,0.8; 95%信頼区間,0.6 ~ 1.0)を受けていた新生児は,プラセボ群よりもベクロメタゾン群で少なかった.

結 論

早期のベクロメタゾン療法は,気管支肺異形成症を予防するものではなかったが,グルココルチコイドの全身投与療法および機械的人工呼換気の施行率の低下には関連していた.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1999; 340 : 1005 - 10. )