The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

October 21, 1999 Vol. 341 No. 17

副甲状腺手術の施行または非施行の原発性副甲状腺機能亢進症に関する 10 年間のプロスペクティブ試験
A 10-Year Prospective Study of Primary Hyperparathyroidism with or without Parathyroid Surgery

S.J. SILVERBERG, E. SHANE, T.P. JACOBS, E. SIRIS, AND J.P. BILEZIKIAN

背景

米国では,原発性副甲状腺機能亢進症の患者の多くは,症状がほとんどあるいは まったく発現しない.したがって,本疾患の治療のために,すべての患者に対して副甲状腺摘出術を行うことの必要性は疑問視されている.

方 法

121 例の原発性副甲状腺機能亢進症の患者を対象として,10 年間におよび臨床経過と合併症の発症についての検討を行った.なお,これらの患者 101 例(83%)には症状は発現していなかった.男性が 30 例,女性が 91 例であった(年齢範囲,20 ~ 79 歳).本試験の期間中に,61 例(50%)の患者が副甲状腺摘出術を受け,残りの 60 例は手術を受けないままで追跡調査が行われた.

結 果

症候性または無症候性の患者に対する副甲状腺摘出術は,血清カルシウム濃度を正常化させるとともに,腰椎の骨塩濃度を平均(± SE)で 1 年後に 8 ± 2%(p = 0.005),10 年後に 12 ± 3%(p = 0.03)増加させた.大腿骨頸の 骨塩濃度は,1 年後には 6 ± 1%(p = 0.002),10 年後には 14 ± 4%(p = 0.002)増加した.しかしながら,橈骨の 骨塩濃度には,有意な変化は認められなかった.手術を受けなかった 52 例の無症候性の患者では,血清カルシウム濃度,カルシウムの尿中排泄,あるいは骨塩濃度に何の変化も認められなかった.しかしながら,これら52 例の患者のうちの 14 例(27%)には,副甲状腺摘出術の適応として最低一つの新たな症状発現として定義された病気の進行が認められた.腎結石は,症候性の 20 例すべての患者に認められた.これらの患者のうち,副甲状腺摘出術を受けた 12 例の患者には腎結石が再発した患者は 1 例もいなかったが,手術を受けなかった 8 例の患者については 6 例に腎結石が再発した.

結 論

原発性副甲状腺機能亢進症の患者では,副甲状腺摘出術によって,生化学的検査値が正常化し,また骨塩濃度が増加するという結果になる.この手術を受けなかった無症候性の患者では,ほとんどの患者に本疾患の進行は認められなかったものの,約 1 / 4 の患者には多少の進行が認められた.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1999; 341 : 1249 - 55. )