The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

October 21, 1999 Vol. 341 No. 17

米国における慢性 B 型肝炎の初期治療としてのラミブジン
Lamivudine as Initial Treatment for Chronic Hepatitis B in the United States

J.L. DIENSTAG AND OTHERS

背景

ヌクレオシドアナログであるラミブジンは,慢性 B 型肝炎患者において期待できることが示されているが,米国の患者についての長期データは得られていない.

方 法

慢性 B 型肝炎の未治療患者を,ラミブジン 100 mg またはプラセボの 52 週間連日経口投与に無作為に割り付けた.治療後の安全性および効果の持続性を評価するために,治療後も 16 週間にわたって,これらの患者の追跡調査を行った.有効性に関する主要エンドポイントは,組織学的活動指数(the Histologic Activity Index)2 ポイント以上のスコアの低下であった.この尺度では,スコアは 0(正常)から 22(最高度の異常)までの値をとることができる.

結 果

無作為に割り付けられた 143 例の患者のうち,137 例が有効性の解析に組み入れられた: ラミブジン群が 66 例,プラセボ群が 71 例であった.残りの 6 例の患者は,最低 6 ヵ月間の血清 B 型肝炎表面抗原(HBsAg)の検出が確認できなかったので,試験開始の来院時に除外した.52 週間の治療終了後において,ラミブジン投与患者では,組織学的効果(52% 対 23%,p < 0.001),血清 B 型肝炎 e 抗原(HBeAg)の陰性化(32% 対 11%,p = 0.003),B 型肝炎ウイルス(HBV)の DNA 量の検出限界以下への持続的抑制(44% 対 16%,p < 0.001),および血清アラニンアミノトランスフェラーゼ値の持続的な正常化(41% 対 7%,p < 0.001)が,プラセボ投与患者よりも起りやすく,肝線維症の悪化は起りにくかった(5% 対 20%,p = 0.01).また,ラミブジン投与患者は,HBeAg の陰性化,血清 HBV - DNA 量の検出限界以下への減少,および HBeAg に対する抗体(抗 HBeAg 抗体)の出現と定義していた HBeAg のセロコンバージョンが起りやすかった(17% 対 6%,p = 0.04).HBeAg に対する効果は,治療を中止してから 16 週間目までの期間はほとんどの患者において持続していた.ラミブジンは十分に忍容できるものであった.ラミブジン投与患者では,血清アラニンアミノトランスフェラーゼ濃度の治療後の自己限定的な上昇がより多く発現していた: 血清アラニンアミノトランスフェラーゼ が試験開始時の値の 3 倍以上に上昇したのは,ラミブジン投与患者では 25%であったのに対して,プラセボ投与患者では 8%に過ぎなかった(p = 0.01).臨床症状は,本研究期間中においては,すべての患者で安定していた.

結 論

米国の未治療の B 型肝炎患者において,1 年間のラミブジン療法は,本疾患の組織学的,ウイルス学的,および生化学的特性に対して望ましい作用を有し,十分に忍容できるものであった. HBeAg に対する効果は,一般的には治療後も持続していた.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1999; 341 : 1256 - 63. )