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November 11, 1999 Vol. 341 No. 20

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ある一人の小児からの 結核菌の大規模伝播
Extensive Transmission of Mycobacterium Tuberculosis from a Child

A.B. CURTIS AND OTHERS

背景

結核が幼い小児から伝播するというのはまれなことである.ところが,1998 年の 7 月に,ノースダコタ州の 9 歳の少年は,その女性保護者が肺外結核と診断されたためにスクリーニングを受け,感染性結核と診断された.この少年は,1996 年にマーシャル諸島から渡米してきた少年で,両肺に空洞を形成していた.

方 法

この少年の女性保護者の結核の感染源として,わかっている中で唯一可能性のある感染源はこの少年であったので,少年に接触した人々についての調査を行った.家族,学校,託児所,およびその他の社会生活における接触者を識別し,これらの接触者には結核菌に曝露されたことを通知した.さらに,これらの接触者には,質問票への回答と結核の皮膚試験を受けることを依頼した.

結 果

ツベルクリン皮膚試験を受けた 276 例の接触者のうち,56 例(20%)が陽性(10 mm 以上の硬結)であった.これらの陽性者には,この少年と世帯を一緒にする家族 4 例中の 3 例,少年と接触があった同級生 24 例中の 16 例,スクールバスに少年と同乗していた生徒 32 例中の 10 例,および託児所での接触者 61 例中の 9 例などがいた.予防療法は合計で 118 例の人々が受けたが,これには,曝露後少なくとも 12 週間後に受けた皮膚試験で陰性が確認されるまで予防療法を指示されていた幼い小児 56 例が含まれている.さらにもう 1 例の患者が確認されたが,それは,この 9 歳の患者の双子の兄弟であった.この双子の兄弟については,喀痰の塗抹標本の顕微鏡検査が陰性であったことから,感染性とは考えられなかった.

結 論

今回の研究は,Mycobacterium tuberculosis(結核菌)が,幼い小児からも数多くの接触者に伝播し得ることを示すものである.結核が発症した小児は,とくに空洞を形成している場合あるいは咽頭結核の場合には,潜在的に感染性であると考えるべきであり,接触者に対する M. tuberculosis 感染または活動性結核のスクリーニングが必要かもしれない.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1999; 341 : 1491 - 5. )