The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

April 6, 2000 Vol. 342 No. 14

股および膝の関節形成術の施行率における男女間の差
Differences between Men and Women in the Rate of Use of Hip and Knee Arthroplasty

G.A. HAWKER AND OTHERS

背景

 いくつかの状況においては,女性は男性よりもヘルスケアの介入を受ける機会が少ないということが,先行研究で示唆されている.そこで,われわれは,男性および女性における関節形成術の潜在的必要性およびその治療手技の施行に対する積極的受容性を推定し,それらに性差があるかどうかを調べた.

方 法

 カナダ,オンタリオ州の 2 地域に居住している 55 歳以上の全住民 48,218 人に,郵便および電話による調査を行い,股または膝に問題を抱えている人々を識別した.これらの人々を対象として,質問票では関節炎の重症度と合併症の有無を評価し,関節炎の確認を検査および X 線写真で行うとともに,面接調査を実施して,対象者の関節形成術施行に対する積極的受容性について評価した.関節形成術の潜在的必要性は,重度の症状および障害が存在すること,手術に対するどのような絶対的禁忌も存在していないこと,および臨床学的および X 線写真で確認された関節炎の所見によって定義した.さらに,この必要性については,対象者の関節形成術施行に対する積極的受容性での補正を行った.

結 果

 質問票および面接による調査のそれぞれの全回答率は 72%以上であった.女性は,男性と比較して,股あるいは膝の関節炎の有病率が高く(年齢補正オッズ比,1.76; p < 0.001),その症状も重度で障害も高度であったが,関節形成術を受ける傾向はより低かった(補正オッズ比,0.78; p < 0.001).手術の施行に対する積極的受容性が等しかったにもかかわらず,関節形成術の可能性について医師と話し合った女性は男性よりも少なかった(補正オッズ比,0.63).股または膝の関節形成術の潜在的必要性が認められた人々の人数は,女性では 1,000 人当り 44.9 人,男性では 1,000 人当り 20.8 人であった.この治療手技の施行に対する積極的受容性で補正すると,この人数は女性では 1,000 人当り 5.3 人,男性では 1,000 人当り 1.6 人となった.

結 論

 重症関節炎に対する関節形成術は,男女のどちらにおいても十分には実施されていなかったが,この治療手技施行の不十分さの程度については,女性が男性よりも 3 倍以上も大きくなっている.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2000; 342 : 1016 - 22. )