The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

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日本語アブストラクト

May 25, 2000 Vol. 342 No. 21

若年性パーキンソン病と parkin 遺伝子の突然変異との関連
Association between Early-Onset Parkinson's Disease and Mutations in the parkin Gene

C.B. LÜCKING AND OTHERS

背景

 parkin 遺伝子の突然変異は,最近,若年層で発症するパーキンソン病の患者において同定されているが,突然変異の頻度とそれらに結びついた表現型については,大規模な患者群での評価は行われていない.

方 法

 45 歳またはそれ以前にパーキンソン病の症状が発現し始めた孤発型の患者100 例とともに,家族の少なくとも 1 人が 45 歳以下でパーキンソン病に罹り,しかも両親はパーキンソン病に罹患していなかった 73 組の家族についても検討した.すべての被験者に対して,parkin 遺伝子の突然変異についてのスクリーニングを,数個のエクソンを同時に増幅する半定量的ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法を用いて行った.また,これらの患者のある部分集団については,遺伝情報をコードしているエクソンの塩基配列も決定した.さらに,parkin 突然変異が検出された患者と検出されなかった患者の臨床特徴の比較も行った.

結 果

 若年性パーキンソン病の家族では,36 家系(49%)に parkin 突然変異が検出された.これらの患者の発症年齢は 7 ~ 58 歳であった.孤発型のパーキンソン病の患者については,この突然変異は,発症年齢が 20 歳以下であった 13 例の患者では 10 例(77%)に検出されたのに対して,発症年齢が 30 歳以上の 64 例の患者では 2 例(3%)にしか検出されなかった.parkin 突然変異が検出された患者では,平均(± SD)発症年齢が,突然変異が検出されなかった患者よりも低く(32 ± 11 歳 対 42 ± 11 歳,p < 0.001),発症時に両側性の症状およびジストニアが現れている傾向,および発症時またはそれ以降に反射亢進が現れる傾向が高く,レボドパ療法に良好な反応を示す可能性が高く,治療中にレボドパ誘発性のジスキネジアが発現しやすいようであった.19 種類のエクソンの再配列(欠失および重複)および 16 種類の点突然変異が検出された.

結 論

 parkin 遺伝子の突然変異は,若年層で発症する常染色体性劣性遺伝の家族性パーキンソン病および孤立型の若年性パーキンソン病(20 歳以下での発症)の大きな原因の一つである.臨床的に顕在化した症状だけでは,これらの患者の正確な診断を行うのは不可能である.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2000; 342 : 1560 - 7. )