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February 10, 2000 Vol. 342 No. 6

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大学医学部における女性医師 ― コホート研究からの新洞察
Women Physicians in Academic Medicine — New Insights from Cohort Studies

L. NONNEMAKER

背景

医科大学を卒業した女性は,男性卒業生と比較して,大学医学部での常勤職にどのくらい従事し,また医科大学の上級職位に昇進する傾向がどの程度かを調べるために今回の研究を行った.

方 法

1979 ~ 93 年までに米国の医学校を卒業したすべての卒業生と,1979 ~ 97 年のあいだに米国の医科大学に在職していたすべての教職者を対象として,助教授,準教授,および正教授の職位に昇進した割合を調べた.コホートの定義は,医学校の卒業年度,教授職の在職権(終身または非終身),および専門科に基づいて行った.そして,それぞれのコホート内において,上級職位に昇進した女性の人数を,男女比率を基にして求めた期待人数と比較し,その差の 95%信頼区間を算出した.

結 果

女性は,男性よりも学究職を求める傾向が有意に高かった.本研究の対象期間中に,期待人数よりも 634 人も多くの女性が教職についた.この人数は後期のコホートよりも初期のコホートで多かった.準教授と正教授の職位に昇進した女性の人数は,期待人数よりも有意に少なかった.この結果は,終身と非終身のどちらの在職権においても同様で,専門学科で補正しても同じ結果であった.全体では,準教授に昇進した女性は期待人数よりも 334 人少なく,正教授に昇進した女性は期待人数よりも 44 人少なかった.

結 論

医科大学の教職者における男性と女性の昇進には不均衡が残っている.しかしながら,大学医学部でのすべての役職において,女性医師の人数が増加傾向にある.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2000; 342 : 399 - 405. )