The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

November 23, 2000 Vol. 343 No. 21

ヘモクロマトーシス患者の血縁者におけるヘモクロマトーシスに関連した病態
Disease-Related Conditions in Relatives of Patients with Hemochromatosis

Z.J. BULAJ AND OTHERS

背景

 ヘモクロマトーシスは,白人 1,000 人当り約 5 人の割合で発症し,HLA に連鎖した HFE 遺伝子の突然変異のホモ接合性によるものが一般的である.スクリーニングが提案されているが,ヘモクロマトーシスに関連した病態を有するホモ接合体の割合は明らかではない.

方 法

 われわれは,ヘモクロマトーシス発端患者の血縁者において,ヘモクロマトーシス関連病態の有病率についての検討を行った.ヘモクロマトーシスの徴候または症状によって診療所を受診した者,あるいはトランスフェリン飽和度が高値であった者から,発端患者を同定した.そして,これらの発端患者との HLA 型の一致に基づいて HFE 遺伝子型を調べ,そのホモ接合体の血縁者を,同胞を中心に,同定した.ヘモクロマトーシス関連病態は,肝硬変,肝線維症,アミノトランスフェラーゼ値の上昇,およびヘモクロマトーシス性関節症とした.

結 果

 この遺伝子突然変異のホモ接合であった 291 例の発端患者において,そのホモ接合の血縁者を 214 例同定した.この血縁者集団の男性 113 例(平均年齢,41 歳)については,96 例(85%)が鉄過負荷の状態で,43 例(38%)が少なくとも一つのヘモクロマトーシス関連病態を有していた.さらに年齢が 40 歳を超えていた 52 例の男性では,そのうちの 27 例(52%)が少なくとも一つのヘモクロマトーシス関連病態を有していた.ホモ接合の血縁者の女性 101 例(平均年齢,44 歳)については,69 例(68%)が鉄過負荷の状態で,10 例(10%)が少なくとも一つのヘモクロマトーシス関連病態を有していた.さらに年齢が 50 歳を超えていた 43 例の女性では,そのうちの 7 例(16%)が少なくとも 一つのヘモクロマトーシス関連病態を有していた.また,男性血縁者の場合には,ヘモクロマトーシス関連病態を発症していた発端患者の血縁者は,ヘモクロマトーシス関連病態を発症していなかった発端患者の血縁者よりも,これらの病的状態に陥っている可能性が高かった.

結 論

 ヘモクロマトーシス患者のホモ接合血縁者の相当数が,臨床的に未検出のヘモクロマトーシス関連病態を有しており,その頻度は女性より男性で高い.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2000; 343 : 1529 - 35. )