The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

December 21, 2000 Vol. 343 No. 25

静脈血栓塞栓症に関連した癌の予後
Prognosis of Cancers Associated with Venous Thromboembolism

H.T. SORENSEN, L. MELLEMKJAER, J.H. OLSEN, AND J.A. BARON

背景

 静脈血栓塞栓症のエピソードの発現中あるいは発現後に発見された癌の予後については,ほとんどわかっていない.

方 法

 デンマーク全国患者登録(the Danish National Registry of Patients)と,デンマーク癌登録(the Danish Cancer Registry)と,デンマーク死亡者ファイル(the Danish Mortality Files)とを組み合せて,静脈血栓塞栓症のエピソードの発現と同時あるいは発現後に癌の診断を受けた患者の生存に関するデータを入手した.このような患者の生存を,癌種,年齢,性別,および癌の診断を受けた年をマッチさせた静脈血栓塞栓症の病歴のない癌患者(対照患者)の生存と比較した.

結 果

 遠隔転移に関しては,深部静脈血栓塞栓症のエピソードの発現時にすでに癌が発生していた 668 例の患者のうち,癌の拡がりに関するデータが得られていた患者の 44.0%(563 例)に遠隔転移が出現していたのに対して,癌の拡がりのデータが得られていた 5,371 例の対照患者では,その 35.1%に遠隔転移が認められていた(遠隔転移の有病率比,1.26; 95%信頼区間,1.13 ~ 1.40).1 年生存率は,静脈血栓塞栓症のエピソードの発現時に癌があった群では 12%であったのに対して,対照群では 36%であった(p < 0.001).また,この症例群の全追跡調査期間の死亡率比は 2.20(95%信頼区間,2.05 ~ 2.40)であった.静脈血栓塞栓症のエピソードの発現後 1 年以内に癌と診断された患者では,診断時に遠隔転移が出現しているリスクがわずかに上昇しており(遠隔転移の有病率比,1.23[ 95%信頼区間,1.08 ~ 1.40 ),1 年生存率も低かった(38%,これに対して対照群では 47%; p < 0.001).

結 論

 静脈血栓塞栓症のエピソードの発現時あるいは発現後 1 年以内に診断された癌は,進行期にあること,および予後が不良であることとの関連が認められる.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2000; 343 : 1846 - 50. )