The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

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日本語アブストラクト

August 17, 2000 Vol. 343 No. 7

成功した手の移植―1 年間の追跡調査
Successful Hand Transplantation --One-Year Follow-up

J.W. JONES, S.A. GRUBER, J.H. BARKER, AND W.C. BREIDENBACH

背景

 ブタの四肢の移植試験における有望な結果と,複合組織の移植についてのある国際シンポジウムで交わされた情報に基づいて,ヒトの手を移植するためのプロトコールを作成した.

方 法

 移植前の総合評価とインフォームド・コンセントの手順が終了した後に,サイズ,性別,および皮膚の色調が一致した 58 歳の死体ドナーから提供された左手を,利き手である左手を 13 年前に失った 37 歳の男性に移植した.免疫抑制療法は,導入療法としてバシリキシマブ(Basiliximab),維持療法としてタクロリムス,モフェチルマイコフェノール酸塩(Mycophenolate Mofetil),およびプレドニゾロンを用いた.

結 果

 ドナーから提供された手の冷阻血時間は 310 分間であった.術中および術後早期には合併症は認められなかった.皮膚移植片の中等度急性細胞拒絶反応が,移植後 6,20,および 27 週目に発現した.これらの 3 回の拒絶エピソードは,すべて,メチルプレドニゾロンの静脈内投与と,タクロリムスおよびクロベタゾールの局所投与治療によって完全に消失した.1 年目までには,手と指の温覚,痛覚,および圧覚が発達してきた.そして,1 年目の時点には,この患者は,野球のボールを投げたり,新聞のページをめくったり,字を書いたり,靴ひもを結んだりというような,義手では行えなかった数多くの左手の機能的活動を行えるようになっていた.

結 論

 今回の手の移植では,現在使用できる免疫抑制剤を使用することによって,移植後早期の現時点では成功をおさめている.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2000; 343 : 468 - 73. )