December 6, 2001 Vol. 345 No. 23
早期産児における真菌のコロニー形成および感染に対するフルコナゾール予防療法
Fluconazole Prophylaxis against Fungal Colonization and Infection in Preterm Infants
D. KAUFMAN AND OTHERS
早期産児では,侵襲性真菌感染は,相当な数にのぼる疾患および死亡に関連している.われわれは,超低出生体重児を対象として,真菌のコロニー形成と侵襲性感染の予防におけるフルコナゾールの予防投与の有効性について評価した.
出生体重が 1,000 g 未満の早期産児 100 例を対象として,30 ヵ月間の前向き無作為二重盲検臨床試験を実施した.これらの新生児を,生後 5 日間に,フルコナゾールまたはプラセボのいずれかの 6 週間の静脈内投与に無作為に割付けた.すべての患児から,毎週,監視培養を入手した.
フルコナゾールに無作為に割付けられた 50 例の新生児と対照の 50 例の新生児は,出生体重,出生時における在胎週数,および試験開始時における真菌感染の危険因子に関して,類似していた.6 週間の治療期間中,真菌のコロニー形成は,プラセボ群の新生児 30 例(60%)とフルコナゾール群の新生児 11 例(22%)において確認された(リスクの差,0.38;95%信頼区間,0.18~0.56;p=0.002).血液,尿,あるいは脳脊髄液の培養で真菌の分離増殖が陽性であった侵襲性真菌感染は,プラセボ群では 10 例(20%)の新生児に発症したが,フルコナゾール群では発症した新生児は 1 例もいなかった(リスクの差,0.20;95%信頼区間,0.04~0.36;p=0.008).分離された真菌のフルコナゾールに対する感受性はこの試験の期間中は変化せず,フルコナゾール療法の有害作用もなかった.
出生体重が 1,000 g 未満の新生児において真菌のコロニー形成および侵襲性真菌感染を予防するには,生後 6 週間のフルコナゾールの予防投与が有効である.