December 27, 2001 Vol. 345 No. 26
冠動脈狭窄の検出を目的とした磁気共鳴冠動脈造影法
Coronary Magnetic Resonance Angiography for the Detection of Coronary Stenoses
W.Y. KIM AND OTHERS
冠動脈疾患を診断するための正確な非侵襲的技術は,重要な進歩の 1 つになるであろう.われわれは,前向きの多施設共同試験において,冠動脈疾患が疑われた患者を対象として磁気共鳴冠動脈造影法の正確度について検討した.
待機的 X 線冠動脈造影法を受ける前の患者 109 例において,磁気共鳴冠動脈造影法を自由呼吸のもとで実施し,この 2 つの診断手技による検査結果を比較した.
磁気共鳴血管造影法は,冠動脈の近位および中位の 759 セグメントのうち,合計 636 セグメント(84%)において画像を判断することができた.これらのセグメントにおいて,臨床的に有意であった 94 病変(X 線血管造影法で血管内径が 50%以上減少していた病変)のうちの 78 病変(83%)が,磁気共鳴血管造影法でも検出された.全体では,磁気共鳴冠動脈造影法の冠動脈疾患の診断における正確度は,72%(95%信頼区間,63~81%)であった.左冠動脈主幹部病変あるいは 3 枝病変の患者における感度,特異度,正確度は,それぞれ 100%(95%信頼区間,97~100%),85%(95%信頼区間,78~92%),87%(95%信頼区間,81~93%)であった.あらゆる冠動脈疾患,および左冠動脈主幹部病変または 3 枝病変の陰性適中率は,それぞれ 81%(95%信頼区間,73~89%),100%(95%信頼区間,97~100%)であった.
X 線冠動脈造影をはじめて施行するために紹介されてくる患者においては,三次元の磁気共鳴冠動脈造影法によって,近位および中位のセグメントに病変のある冠動脈疾患を正確に検出することが可能である.この非侵襲的な検査法は,左冠動脈主幹部病変や 3 枝病変を確実に同定(あるいは除外)することができる.