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January 10, 2002 Vol. 346 No. 2

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進行した非小細胞肺癌に対する 4 種類の化学療法レジメンの比較
Comparison of Four Chemotherapy Regimens for Advanced Non–Small-Cell Lung Cancer

J.H. SCHILLER AND OTHERS

背景

進行した非小細胞肺癌患者を対象に,3 種類の化学療法レジメンのいずれかが,シスプラチンとパクリタキセルの併用療法よりも優れているかどうかを検討するために無作為試験を行った.

方 法

進行した非小細胞肺癌患者合計 1,207 例を,対照投薬のシスプラチンとパクリタキセル群,もしくは 3 種類の実験投薬群のシスプラチンとゲムシタビン群,シスプラチンとドセタキセル群,カルボプラチンとパクリタキセル群,のうち 1 つに,無作為に割付けた.

結 果

適格患者 1,155 例の奏効率は 19%であり,生存期間の中央値は 7.9 ヵ月(95%信頼区間,7.3~8.5),1 年生存率は 33%(95%信頼区間,30~36%),2 年生存率は 11%(95%信頼区間,8~12%)であった.奏効率と生存率には,シスプラチンとパクリタキセル群の患者と,3 種類の実験的療法群に割付けた患者のあいだで,有意差は認められなかった.シスプラチンとゲムシタビン群では,シスプラチンとパクリタキセル群に比べて,疾患の進行の時間が有意に長かったが,グレード 3,4 または 5 の腎毒性を呈しやすかった(シスプラチンとパクリタキセル群の 3%に対し 9%).一般状態が 2 の患者は,一般状態が 0 または 1 の患者に比べて,生存率が有意に低かった.

結 論

進行した非小細胞肺癌に対する 4 種類の化学療法レジメンの中で,他の療法に比べて有意な利点が認められたものはなかった.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2002; 346 : 92 - 8. )