The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

July 18, 2002 Vol. 347 No. 3

オステオプロテジェリン欠乏と若年性パジェット病
Osteoprotegerin Deficiency and Juvenile Paget's Disease

M.P. WHYTE AND OTHERS

背景

若年性パジェット病は,常染色体劣性遺伝の骨障害であり,急速に再形成する繊維性骨,骨減少,骨折,および進行性の骨格奇形が特徴である.分子的基盤は明らかにされていない.オステオプロテジェリンは破骨細胞分化因子(RANK リガンドとも呼ばれる)のおとり受容体として機能することにより骨の代謝回転を抑制するので,オステオプロテジェリン欠乏が若年性パジェット病の原因となる可能性がある.

方 法

明らかに血縁関係のない,ナバホ族の若年性パジェット病患者 2 例で,ゲノム DNA のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅後,直接塩基配列決定とサザンブロットを行って,オステオプロテジェリンをコードする遺伝子(TNFRSF11B)の欠損について評価した.TNFRSF11B 近傍の遺伝子マーカーを,TNFRSF11B の欠損部位の配列標識部位含有マッピングを利用した PCR 法と,DNA 切断点にまたがる PCR により評価した.

結 果

両患者は染色体 8q24.2 に TNFRSF11B の同一切断点のあるホモ接合型欠損を有していた.欠損部位は約 100 kb に及んでいたが,近傍の遺伝子は無傷であった.血清中オステオプロテジェリン濃度が検出不能であり,可溶性の破骨細胞分化因子が顕著に増加していた.

結 論

若年性パジェット病は,TNFRSF11B のホモ接合型欠損によるオステオプロテジェリン欠乏により起りうる.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2002; 347 : 175 - 84. )