The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

April 24, 2003 Vol. 348 No. 17

オーストラリアにおける小児心筋症の疫学
The Epidemiology of Childhood Cardiomyopathy in Australia

A.W. Nugent and Others

背景

小児における原発性心筋症の罹患率および年齢分布はあまり明らかにされていない.小児心筋症の疫学を明らかにするため,われわれはオーストラリアにおいて住民ベースの後向きコホート研究を行った.

方 法

1987~96 年に受診し,10 歳未満であった小児の原発性心筋症全例を解析した.複数の情報源から小児を登録し,心筋症の症例を WHO ガイドラインに従い分類した.

結 果

1987~96 年の 10 年間で,新たに原発性心筋症 314 例が確認された.これは 10 歳未満の小児 10 万人当り 1.24 例の年間発症率であった(95%信頼区間 1.11~1.38).全症例中,拡張型心筋症は 58.6%,肥大型心筋症は 25.5%,拘束型心筋症は 2.5%,左室心筋緻密化障害は 9.2%であった.拘束型を除く全種類の心筋症の発症率は,乳児期以後急激に減少した.11 例(3.5%)では突然死が初発症状であった.肥大型心筋症および分類されない心筋症は男児に多かった.先住民族の小児では非先住民族の小児よりも拡張型心筋症の罹患率が高く(相対リスク 2.67;95%信頼区間 1.42~4.63),発現症状が死亡である割合が高かった(16.7% 対 2.6%,P=0.02).発現後 2 ヵ月以内に心臓組織検査を受けた拡張型心筋症の小児 62 例中 25 例(40.3%)で,リンパ球性心筋炎がみられた.

結 論

オーストラリアにおいてリンパ球性心筋炎および左室心筋緻密化障害は小児心筋症の重大な原因である.心筋症小児における症状の発現時期および重症度は,遺伝的・民族的要素のみならず,心筋症の種類とも関連する.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2003; 348 : 1639 - 46. )