February 6, 2003 Vol. 348 No. 6
子宮頸癌に関連するヒトパピローマウイルス型の疫学的分類
Epidemiologic Classification of Human Papillomavirus Types Associated with Cervical Cancer
N. Munoz and Others
ヒトパピローマウイルス(HPV)感染は子宮頸癌の主因であるが,各 HPV 型に関連するリスクは十分に評価されていない.
組織学的に確認された子宮頸部扁平上皮癌の女性 1,918 例と対照女性 1,928 例を対象とした,9 ヵ国における症例対照研究 11 件のデータを統合した.共通のプロトコルと質問票を用いた.個人面接により危険因子に関する情報を得て,子宮頸部細胞を採取し,単一の中央検査室にてポリメラーゼ連鎖反応(PCR)に基づいたアッセイ(MY09/MY11 および GP5+/6+プライマーを使用)により,HPV DNA の検出および型分類を行った.
HPV DNA は子宮頸癌患者 1,918 例中 1,739 例(90.7%),および対照女性 1,928 例中 259 例(13.4%)に検出された.GP5+/6+プライマーを使用した場合,HPV DNA は患者の 96.6%および対照者の 15.6%に検出された.患者に非常によくみられた HPV 型は,頻度の高い順に,16,18,45,31,33,52,58,35 型であった.対照女性では,16,18,45,31,6,58,35,33 型が非常によくみられた.GP5+/6+プライマーを使用した研究では,あらゆる型の HPV の存在に関連した子宮頸癌の統合オッズ比は 158.2(95%信頼区間 113.4~220.6)であった.もっとも頻度が高かった HPV 型ともっとも頻度が低かった HPV 型のオッズ比は 45 を上回っていた.15 種の HPV 型(16,18,31,33,35,39,45,51,52,56,58,59,68,73,82)が高リスク型に分類され,3 種(26,53,66)が高リスクの可能性が高い型に,12 種(6,11,40,42,43,44,54,61,70,72,81,CP6108)が低リスク型に分類された.疫学的分類と系統発生的群分けに基づく分類には,良好な一致が認められた.
HPV 型 16 および 18 に加えて,31,33,35,39,45,51,52,56,58,59,68,73,82 型を発癌型すなわち高リスク型と考えるべきであり,26,53,66 型は発癌性の可能性が高い型と考えるべきである.